*母の記録*

 

7月3日〜18日まで

<day+23ー37>

昨日の出血が体内からであればヘモグロビンの値が下がっているはずだが、今日の採血で下がっていないのでどこかからの大量出血ではないでしょうと。

今日からモルヒネを外し食事もすこしずつ始めていきましょうということで

大好物のピザも移植後初めて少しだけ食べることもできました。

 

 

生着が確認されてからの2週間は、熱が出たり、咳、嘔吐、全身の発疹とそれに伴う痒み、特に咳をすると痒みも増して吐き気も出るようで辛そうでした。

この間は血小板や赤血球の輸血をしながら、ゆっくりゆっくり回復していくのだろうと思っていました。

退院した時のことを考え、エアコンを新しくし、ロールカーテンも洗えるタイプのものに変え、掃除機もダイソンに変えたりと自宅療養の準備を少しずつしていきました。

 

*僕の記憶*

 

急性の白血病は化学療法だけで寛解することもあるが、再発する人間も多いらしい。だから僕は、どうして誰もが移植という手段を選ばないのか、疑問だった。

それは、すごく単純な話かもしれない。

きついからだ。

とにかく、体にかかる負荷が尋常じゃない。

マックブックでWindowsのOSを動かしているみたいな、そんなチグハグした感じ。

でも、それって考えれば、自然なことだ。

地球のそこらじゅうにいる多種多様の病原体から体を守っている、免疫。もっと言えば、脊椎動物に備わった、獲得免疫。それを、入れ替えるのだから。

明らかに生命の理に反したおこないだ。

 

生着は成った。

けど、体は一向に楽にならない。

3DSを持っているのもだるいから、スマホでゲームを始めた。『メビウスファイナルファンタジー』。

もう2022年にはサービスを終了してしまっているけど、当時はすごく好きだった。人生で初めて課金をした。

 

スマホは、横になっていてもゲームができるから、本当にありがたかった。

ありがとうモーグリ。

 

移植は、まず生着することを目標にしている。生着不全が容易に起こりえた中で、生着したということはひとまず、素晴らしいことなのだ。