*母の記録*

 

2013年11月16日

今日はロイナーゼの点滴

午後高校の後輩2名と食堂で。

色紙をもらい病室に飾っていました。

 

その後Mさんが面会に来てくれましたが、

少し疲れたようでベッドで横になって話していました。

 

 

2013年11月19日

今日は盛りだくさんです。

オンコビン、ダウノマイシンとロイナーゼは1時間かけて点滴です。

オンコビンを入れた後は便秘に。

担当の看護師にお腹を温めてもらったりしていました。

夕方小学校の友人ゆりちゃんが突然お母様と面会に来てくれました。

7年ぶりの再会です。

 

 

*僕の記憶*

 

僕の高校は男子校だった。

それどころか中学校も男子校だった。

 

中間一貫校、私立東海高校は、医学部入学率日本一位とかなんとか。

 

まあ僕の学歴を見てもらえれば大学受験に成功したのか失敗したのかはお察しだと思うので、あえて勉強面についてはかかないけど、これだけは記しておく。     

 

ガチでオタクしかいなかった。

 

握手券のために購入されたAKBのCDが教室に溢れかえってたからな。

 

そしてそんな限界オタクが集まる文芸部に集まる仲間の中に、その後輩はいた。

 

彼は成績優秀で、かつ社交性のあるオタクだったんだけど、

そんな彼が色紙に書いてくれたんだよね。

 

嬉しかった。

 

今も実家のどこかに置いてある。

 

以後、その色紙を使って、

「白血病の治療で手術はしないのよ!」

という鉄板ネタが出来上がった。

 

この頃から、抗がん剤が猛威を震い始め。

 

最初、こんなものか、と思っていた自分が馬鹿みたいだ。

 

当時お付き合いしていたMさんがお見舞いに来てくれても、ろくに話もできなかったな〜。

 

抗がん剤の痛みは、鍋のしめに出てくる雑炊の味みたいに、複雑で説明が難しい。

 

『逃げ場のない、掴み所のない痛み』とでも言うべきか。

自分の体が、内側から別の何かに作り替えられているみたいな痛み。

 

そんな痛みから逃れるために、体は楽な体勢を探してベッドの上をもぞもぞと動き回る。

あれ、僕って樹海でぐるぐる回ってる方位磁針だっけ? とか思ったよね流石に。

 

その晩、僕は夢を見た。

体が棺のような箱に詰められて町中を飛び回るという、奇妙な夢。

マジでなんだったんだあれ〜。