★あなたの愛が 永遠の愛に成る為に 109(2)★ | 自分の心の育て方

自分の心の育て方

あなたの身体は
あなたの年相応に成長しています。
けれども あなたの心の成長は
どこかに置き去りにされたままなのです。


私達の 誰もが必要で
多くの人達が知らずにいる 自分の心の育て方を
解かりやすく伝えて行きます。急がずに ゆっくりと・・・。


◇ 人間物語 の メール講座   NO9(2) ◇


 (長すぎて2件になってしまいました
         続きです1の方から読んで下さい)






ところが 彼は立ち止まったまま
父親に近づこうとしない

1年もの長い間 逢っていなかった父親に 彼は飛び込んで
行けなくなってしまっていた。

だが そんな彼を見て父親は直ぐに気がつき
すっかりイジケテしまっている我が子に
父親だからこそ解かる
1年の間の苦しさに対する理解の為に

今度は 父親が 目にいっぱいの涙を溜めながら
「たかし こっちへおいで お父ちゃんだよ」
その声に 初めて彼は近寄る事が出来た。

まだ なんとなく ぎこちない気持で

だが その日は 親子水入らずだ
遊園地や動物園と色々な所に連れて行ってもらい
彼は実感で自分の父親を感じ取る事が出来る。

そして1日が終わり孤児院に帰り着く
彼は何となく近づいて来ている別れからか
父親の傍を離れようとはしない

そんな彼に父親は「たかし お父ちゃん 煙草を買って
くるから 大人しく待っていてくれ」と 言うそうだ。

彼は毎回の事で それが何を意味しているのか解かっている
彼は泣き出し 余計に父親から離れようとしない。
 
それを見かねて 保母さんたちが彼に
「たかしちゃん お父さんは直ぐに帰って来るから先生
と一緒に待っていようね」と なだめながら引き離す
嫌がる彼を 泣きわめく彼を 2人がかりだ
大人の力には勝てるわけもない・・・。

彼は ありったけの大声で叫び
ありったけの涙を流して父親に懇願する。
「帰らないで 帰るなら僕を一緒に連れて行って欲しい
お父ちゃんと一緒に行きたい」
父親は 彼が どんなに力いっぱいに泣いても
どんなに大声で叫んでも 決して振り返る事無く
帰って行ったそうだ。

いや
振り返る事が出来なかったんだ。
この時 父親は 振り返って 彼の元に戻り
もう1度泣き叫ぶ我が子を抱きしめて上げたかっただろう
そして「たかし一緒に帰ろう」とも言って上げたかったろう
それが出来ない自分を どんなに不甲斐無く思った事だろう
父親は 心を鬼にして振り向かなかった。

ところが その時の彼には そうする父親の態度が不思議
でならなかった。
「こんなに 大声で泣いているのに お父ちゃんは
僕の方を見てくれない なんで意地悪するんだ 僕が嫌いなのか
僕は もうお父ちゃんの子じゃないのか?」
その時の彼の理解は これぐらいだったと言う


そして煙草を買いに行くと云うのが
嘘だと解かりながらも 彼は その嘘の方を信じたい。
これは良く解かる 誰もが そう信じたいだろう
彼は待った・・・。

正面玄関でじっと待った。
ふと気づいた時 あたりは 既に真っ暗だ
そして独り彼だけが そこに居る
この時 彼は胸の中で つぶやいた
ほんの独り言だった「お父ちゃんは 僕に嘘をついた
先生達も 僕に嘘をついた。僕は もう誰にも本当の事を
言わないし 誰にも本当の僕を見せない」
この時 
この日を境に 
彼は鉄仮面を被ってしまった・・・・。

そして実際に彼は その通りに生きた
何もこれは 特に彼に限った事じゃない
あなたも その事の強弱は有れ これに似た様な体験を
しているだろう。
もう 今の あなたには忘れかかっているかも知れないが
まだ幼かった頃 何かによって それまでの自分とは
ガラリと違ってしまう。

周囲には なぜそうなったのかも解かりはしなくても
あなただけは全てを知っている。
いわゆる世間的な言葉で言うと殻を被ってしまうと
言う事になる

この殻は 何も 人とか その時の状況とかが 被せるんじゃない
本人が被るんだ。例え人が無理やり それをしたくても
当の本人が その気にならなければ絶対に不可能だ
この殻は その殻自体によって
周囲の心的な圧力から自分を保護する為の物だ
確かに それは 自分を守る
ところが同時に 自分への害をも 与えてしまいだす。
その殻を 
鉄仮面を被りだした彼へのマイナス作用はと言うと
その殻によって真実を外へ出さない代わりに
真実も外から入れなくなっていた。

あなたに伝えたいのは
今 あなたの被ってしまっている その殻は
彼のものより ずっと強固だ
だってそうだろう
二重にも三重にも成ってしまっている。
彼のは まだ薄い たったの1枚の殻だ
真実は その殻を通すために見えにくいが
霞んでボンヤリとくらいは見える。
これは彼が外側を見る時にも そうで有るし
外側から他の人が彼を見た時にも同じだ
霞んでいる
ぼやけている
しかし真実は見えている。

ところが あなたのときたら
もう それは「真実」のしの字も見えないどころか
その殻自体に色付けをし デザインまでして偽性格を作り 
ひとつの人格とやらを与え 
殻が自分だと錯覚してしまっている。

それどころか
外側の人達からも真実を
真正な あなたを見出そうと
することも不可能であるどころか
あなた自身 真実の あなたを 
もうとっくの昔に忘れてしまっている。
悲しい事に こうなったらお終いだ。

だって あなたは 
あなたで無い者を握り そこに腰を落ち着けようとするから
落ち着けない 落ち着ける訳がない。
すると あなたは その落ち着きの無さを 
あれや これやと何かをやって解消しようとする。
動いている時の方が落ち着いていて
静かに動きを止めると 何かしら落ち着かなくなる
これは どういう落ち着き方だろう・・・?
きっと 何をやっても落ち着かないよ・・・。

だって
そこに腰を落ち着けようと
居場所を見つけ出そうとする事自体が間違っているのだから。
それは 不可能だよ。

あなたは 決して出来ないことをしていて
出来ない 出来ないと 悩んだり嘆いたりしている。

それは無理なんだ。

例え 出来たとしても一時的に無理矢理作り出したもの
だから 崩れる運命に有る。

だから それが出来ないと言って
或いは 居場所が見つからないと
言って悩む事自体が おかしいんだよ。

それらが出来ないと言って悩んでいる人は
まだ それが可能だと思い込んでいるからなんだよ。

それは あなたじゃない 
あなたの殻だよ
昔に作り上げてしまった 
あなたの殻だよ。

それを あなただと思い込んでしまっている事に
気づいて欲しい・・・。


殻とは
ふりの機能
演技の機能をする「偽装」だ。

それは あくまで作り出したもので有って
その殻自体には
生命など宿っていない
使われるべき道具の方であって
あなたじゃない。

道具自体を あなたは
あなたと思い込んでしまっていた。

その道具を使いこなす主人の方は 
他にちゃんと居るんだと言う事を忘れてはいけない。  





今日の講座は 
ここまでで 終わりにしたいと思います。

明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに