★あなたの愛が 永遠の愛に成る為に 107(2)★ | 自分の心の育て方

自分の心の育て方

あなたの身体は
あなたの年相応に成長しています。
けれども あなたの心の成長は
どこかに置き去りにされたままなのです。


私達の 誰もが必要で
多くの人達が知らずにいる 自分の心の育て方を
解かりやすく伝えて行きます。急がずに ゆっくりと・・・。



◇ 人間物語 の メール講座    NO7(2) ◇

(長すぎて2件になってしまいました
        続きです1の方から読んで下さい)





案の定 彼女は とても苦しみました。
父親を恨んでいるために 父親に近づくことすらしたく無かったのです。
自分の気持ちを近づけることすら したくなかったのです。
ましてや 大嫌いな相手に成るなんて とんでもない話しです。
何十回となく 書いては やり直しをし続けました。

彼女の書いていたものは感情だらけで
まさに自分に文句ばかりを言っている 彼女が 今迄に 見てきた父親の姿を 
そのまま書いていました。

父親の気持ちの部分が全て感情なのです。
私が何度 これは違うよと言っても 私の見てきた父は 本当に酷い人で 
こう思っていると 彼女は まったく譲りませんでした。


彼女も疲れ果て 私も疲れ果てた時に 彼女に少しだけ 聞く耳が生まれました。
その時に 私は 伝えました。

君に見えている お父さんの姿は君に反応している お父さんの姿で有って
本物の お父さんの姿ではない・・・。
まだ 君は 本当のお父さんの姿を 1度も見たことが無い。

何故なら
例えば 朝 君を起こすのが お父さんの役目だとして 
君が朝 起きる時に 中々起きて来ない人だとしたら 
お父さんは 君を起こす時に 強い口調で起こさなければいけなくなる。
そして 大きな声で起こそうとする そんな お父さんの姿が君の目には 
うるさくて 怖い父親に見えてしまう。

今度は それとは逆に 
もしも君が寝起きのいい人で 1度で起きてしまう人なら 
普通に起こすし 大きな声も出さずに起こしてくれる
感じの良いお父さんに見えるし 優しい父親だと思えてしまう。

寝起きの悪い君が 怖いお父さんにさせてしまうし 寝起きの良い君が
優しいお父さんにさせてしまっているだけの事で どちらも本物じゃない。
この両方共 君がさせている父親の行動だし お父さんは会社に遅れてしまわない
様に本気で起こそうとしているだけなんだよ・・・。
君に反応している お父さんの姿を見て 君はお父さんは こんな人と思い込んで
いただけなんだよ。
これで嫌な奴なんて思われたら お父さんは たまったものじゃない。

この君への反応とは 
まったく別の 君に見せた事のない 
本物のお父さんの姿が必ず有るから そのお父さんの姿を探そう。
お母さんと どんなに喧嘩をしたって お母さんは お父さんと
別れずに居たのには訳が有って 多分 お父さんの本当の姿を
お母さんは 知っていたからだよ・・・。
だから お父さんと お母さんは 離婚をしていないんだ。
子供達が居たからとか言っても それでも耐えられないほど
お父さんが嫌な人なら とっくに離婚をしてしまっていたはずだよ。
事業を失敗してしまった時点でね・・・。

君の書いている お父さんの気持ちの部分である 感情が 何故違うのか?
そして君が1番 反応を起こしてしまう お父さんが感情を
吐き出している時の姿を 少し考えてみよう。

こんな酷いことを言うくらいだから お父さんの腹の中では 
私に対して もっと酷い事を思っていると 勝手に あなたは
決め付けているけれど それは違うよ。 

君が腹がたったときに 君は自分の感情を全部吐き出して
相手にぶつけるだろう・・・?
その後 君の腹の中には何が残っている?
何も残って無いだろう?
自分が腹を立てて相手にぶつけた時に その後に何が残っているかを考えてごらん
全部ぶつけたなら 余計に・・その後に 芽生えている気持ちが有るはずだよ
「言い過ぎてしまったかなとか・・・・」「傷つけてしまったかなとか・・・」
お父さんも 同じ事を感じている・・・。
その気持ちこそが入り口だよ。
その方向に お父さんの本当の気持ちが潜んでいる・・・。
その言葉で やっと彼女は気づいてくれました・・・。



彼女は泣きながら一気に書き上げてしまいました。

1年振りに帰った時の ほんの1・2時間の場面しか無かったので 
その場面で書いたものです。

カギカッコ以外は全部 お父さんの胸の中で感じている
実際には言葉にはしていない お父さんの心の声“心情と言います”です。
この心の声である お父さんの本当の胸の奥の奥に有る気持ちを
解る事が どれだけ難しいことか・・・・。

でも彼女は頑張りましたよ 想像などでは無く
本当のお父さんの気持ちを感じ取り
見事に書き上げてしまいました。

400字詰めの原稿用紙に書いて貰うのですが
書いた原稿用紙は 泣きながら書いた為に 
彼女の涙でグショグショになってしまいましたので
書き上げた後 清書をして貰いました。

そして 出来たのが これです。 



                 娘                 (父)


久しぶりに お前が帰って来る。
どれくらい逢ってないんだろうか。もう1年位には 成っているだろうなあ・・・。
お前から来てくれない限り何も言ってはいけないから
顔を見なくなってから 随分と寂しいよ。

こんなに近くに居るんだから 何度も お前に逢いに行こうと思ったけれど
お前の 怒った不愉快そうな顔が思い浮かんできて どうにも出来ずにいるよ・・。
今日は久しぶりに お前に逢えて嬉しいけれど少し怖い気もするよ。
こんなに逢いたいけれど お前は まだ私を受け付けないんじゃないかな 
なんて、それは当然なんだけどな・・・。
いや 元気でいてくれさえしたら それで良いんだ。
顔が見れたならそれで良いんだ。それで充分なんだ。

「こんにちは」
お前のぎこちない声がする。こんにちは か・・・。
ただいま とは帰って来てはもらえないんだな・・・。
お前の家なのにな・・・。
まだ私を この家を許してはもらってないんだな。
随分 ゆううつそうだ。
なんて声をかけたらいいんだろう。
どうしたら笑ってくれるんだろう。
「お~元気か? 随分スマートに成っちゃったな」
色んな言葉が浮かぶけれど お前の気に触らないような言葉しか言えやしない。
随分やつれちゃったな。背が高く成った様な気がする。
仕事はきついんじゃないのか?
そう言えば母さんが そんな事を言ってたよ。
きちんと休んでいるんだろうか。 ちゃんと睡眠はとっているんだろうか。
食べる物も ろくに採らずに働いているんじゃないだろうか。
驚くほど痩せちまったな。身体は大丈夫なのかい。
「うん 元気」
そうか元気か。それなら良いんだ。
お前は 余り口を利きたく無そうだけど顔が見れたんだ。
元気でやっているならそれで良いんだ。
余計なことを聞いて お前が怒って口を利いてくれなくなったりしないようにするよ。
せっかく久しぶりに逢えたんだから 少しでも長く今日は居て欲しいんだ。
「今日は ゆっくりして行けるのか?」
久しぶりに家族全員が揃ったんだ。今日は家族全員で夕食が食えるんだ。
何年ぶりだろう。
あいつの好きなものが冷蔵庫には沢山入っているし 久しぶりに うまい物を
一杯食わしてやろう。
あんなに痩せちゃって きっとろくに食ってないんだろう。
今日はたっぷり食わしてやろう。滅多にないんだ。
「忙しいから 時機に帰る」
嘘だろう。こんなに待ってたんだ。
沢山用意してお前の為に待ってたんだよ。
せめて今日くらい 俺も仕事が休みなんだし居て欲しいんだ。
でも帰っちゃうのか。
帰りたいんだな。お前を引き止めたい。
でも そんな事は俺には出来ないな。やっぱり。
無理矢理 お前を引き止めたら お前は ゆううつな顔をして 
うるさいって帰っちゃうんだろう。
どうやったら離れて行かなくなるか どうしたらいいのか解からないよ。
だから お前の好きなようにするのを見ているしか出来ないんだなあ。
お前が これ以上 俺から離れて行かないようにするのが精一杯だ。
どうしたら良いのか 正直言ってわからないよ。
何を言っても お前は反応してくれないし 
叱ったりしようものなら 怒って もう逢いには来てくれなくなって
しまうんじゃないかと思うと 知らない内に嫌われまいとして
恐る恐るビクついて お前と接してしまう。
やはり どうしようもないんだな。

父さんは お前の事を ただ心配しながら何も出来ずに
どうしたら良いのか解からず苦しむことしか出来ないよ。
この先も きっと そうなんだろう。
お前達の心が少しでも開いてくれるまで こうして ただ こうして
お前達を 見ていくことしかないんだろう。
それが 父さんが お前達を苦しめた当然の報いなんだろう。
俺は自分のした事で苦しんでいるんだから それでいい。
でも お前達の幸せ願っているんだ。

俺を憎んで お前が幸せに成るのならいいが 
その事で お前までもが不幸になっては欲しくないよ。
俺を許してくれって言ってるんじゃない。
許してくれなくたっていいんだ。
ただ その事を お前が引きずって不幸になっているんだとしたら考えて欲しい。
俺の事で これ以上 不幸になってくれるな。
もっと自分自身を大切にして生きていって欲しい。
いつまでも 俺にとらわれて 俺にがんじがらめにされて 
苦しんで 突っ張って 無理しては欲しくないんだ。

もっと大らかに 無理せずに生きて行って欲しいんだ。
幸せになっておくれ それだけだ・・・。






これが心情です。
まるで父親が書いたようです。
本当に父親の気持ち そのものの様ですね・・・・。

そして これを書き上げた後に 
今 お父さんが目の前に居ると思って
お父さんに 直接 語りかけたい あなたの気持ちを書いて下さいといって
書いた文章が これです。



久しぶりです。
何の連絡もしないままで ごめんなさい。
今 何か ふっきれたような気がしています。少しかもしれないけれど。
今迄 私は自分の引き起こした事、自分の人生に少しでも障害が出てくると
お父さんの所為にして来ました。
私が こうなのは あの時 お父さんが・・・・あんな家庭だったからって
お父さんばかりでは無く お母さんも 妹にも 弟にも いいえ それどころか
いつも誰か他人の所為にしてきたんです。

自分のここは直らない。変えられないと固く蓋をして 誰にも触れさせず
何かあると その箇所の所為にしていたんです。
それなのに 少しも 今まで気づかなかった・・・。 

どこかでは 知っていたけど 許してきた。
だって私は こんなに酷い家庭に育って、人よりも可哀いそうで 
許してきてしまった。

ごめんなさい。全ては私から発生していたことなのです。
なじらなければ いけないのは私自身なのです。

今まで 黙って耐えてくれていて 本当に済みませんでした・・・。
淋しかったでしょうね。

血の繋がりの有る 娘から浴びせられた言葉の数々は痛かったでしょうね。
どんなにか 辛かったでしょうねえ。

自分のことが 見れなかった私・・・・。
今まで一度も お父さんの気持ちを考えた事が無かった。
本当に ごめんなさい。




彼女は
父への憎しみだけを支えに 独りで生きていける
強い人間に成ることを目指して 歩んできてしまったそうです。

そんな想いを超えて この暖かな気持ちに辿り着くことは 
どんなに苦しかったことでしょう。

そして彼女は 自分が一番苦しかったんだという 
自分の苦しみを どかせた時に初めて
自分以上に 苦しんでいた父の気持ちや
その苦しみの中においても なお彼女を想う 父の暖かな思いが
鮮やかに広がってきたと話してくれました。

最後に 彼女は
「生きる上での 壁が外れて まるで
暖かな陽射しが 差し込んできた みたいです」
と言って 微笑んでいました。




今日は ここまでで終りにしたいと思います。
皆さんに何かが伝わってくれていれば嬉しいのですが・・・。