2025年6月27日(土)
アーモンドの「治療と仕事の両立日記」第4章 脳転移が消えた日

こんばんは。
アーモンドです。

土曜の夜も読んでくれているあなた、ありがとうございます。

🧠 2月26日のMRI

2025年2月26日、脳のMRI検査を受けました。

診断から3か月ほどたった頃です。

ローブレナを飲み始めてから、体の調子は少しずつ変わっていました。

声も戻りつつあった。

「脳はどうだろう」

そう思いながら、検査台に横になりました。

🏥 3月3日の診察室

結果を聞きに行ったのは、3月3日のことです。

妻も一緒でした。

主治医の先生がパソコンの画面を開いて、MRI画像を見せてくれました。

「左小脳(ひだりしょうのう)の腫瘍(しゅよう)は、消失していますね」

静かな声でした。

わたしは画面を見たまま、少し黙っていました。

「消えた」という言葉の意味を、ゆっくりと確かめるように。

🔬 脳転移とローブレナ

診断を受けた2024年11月の時点で、左小脳に1センチほどの腫瘍がありました。

肺がんの脳転移(のうてんい)です。

がん細胞が血液の流れに乗って脳に届き、そこで育ってしまうことがあります。

ローブレナはALK陽性肺がんに使われる分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)で、脳への移行性が高いとされています。

腫瘍が縮小する可能性は、頭ではわかっていました。

参考:がん情報サイト「オンコロ」ローブレナ脳転移抑制に関する記事
https://oncolo.jp/news/220608y01

でも「わかっている」と「消えた」の間には、やはり距離がありました。

📊 準備してきたこと

ALK陽性肺がんについて、できる限り調べました。

分子標的薬の効果、脳への移行性、副作用の出方。

「薬の効果を底上げしたい」という気持ちで、食事や睡眠も見直しました。

昼休みの50音散歩も続けていました。

結果が出たとき、正直に言えば、

「やっぱりそうか」

という感覚が先にきました。

喜びというより、確認に近い感覚でした。

ただ、その後からじわじわと、

「よかった」

が来ました。

ひとつ大事なステップを、越えたのだと思いました。

🚗 火曜日の夜

診察から数日後の火曜日。

仕事を終えて家に帰ると、妻がキッチンにいました。

わたしが玄関を開けた気配に気づいて、振り返りもせずに言いました。

「今日からお迎えに行けるね」

娘の習い事のお迎えのことです。

妻は長い間、体に負担をかけながらひとりでこなしてきました。

わたしが運転できなかった間のことです。

キッチンに立ったまま、こちらを向かずに言った言葉。

泣いているわけでもなく、特別な声でもなく。

ただ、それだけでした。

「ああ、そうだね。行けるね」

わたしもそれだけ言いました。

そのやりとりが、あの日いちばん大事な言葉だったと思います。

🌙 普通に戻るということ

脳転移が消えた。

それはたしかに、大きな出来事でした。

でも不思議と、大きな感情の波はありませんでした。

それより、

娘のお迎えに行けること。

妻の荷物をひとつ減らせること。

そちらのほうが、ずっとリアルでした。

病気が治るとはどういうことか、まだわかりません。

ただ、普通の役割に少しずつ戻れること。

それが、わたしにとっての回復の手触りでした。

以上、アーモンドからでした。

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次回予告
第5章「家族との食卓」
治療が続く中で、食卓の風景が変わっていった。
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