どうも~nine-o-clockです。

前回記事の続きとなります。

 

★エマージェンシーセッティング

前回よりコアな内容になります。

 

エマージェンシー(emergency)は、日本語で「緊急」を意味しますが、何かしらの故障または不具合が起こった時に実行する物事でよく使われます。

 

メダルゲームでも、一部のマシンにおいてエマージェンシー設定が可能になっており、ここではいくつかの例を紹介したいと思います。

 

主に抽選メカがゲームのルールに取り入れられている一部の機種に搭載されています。

もし、抽選機構が何らかの原因で故障してしまった場合、ルール通りの稼働ができなくなる可能性があります。本来なら致命的であり、特に1台の抽選機構で複数のプレイヤーが共有するような場合などでは丸ごと1台すべてを稼働停止にさせなければならない事態となってしまいます。

 

ここで、エマージェンシー設定を行うことで、故障した抽選機構を使わなくてもよいように代わりの手段をとることで稼働を続けることができるようになっています。その一例を以下に。

 

・フォーチュントリニティシリーズ

センター抽選機構の2種類が故障した場合、抽選ルール変更し、代わりにステーションチャレンジと同じ手法を用いたルールに代わります。

初代やバージョン2の場合は、FORTUNE BONUSなど普段の稼働では見ることのできない演出が存在します。

 

・海物語ラッキーマリンシアターシリーズ

中央のジャックポット抽選機構が故障してしまった場合、ジャックポットチャレンジになった台は、抽選を行わずに一律300枚を払い出すルールに変更できます。

言い換えると、ジャックポットチャレンジに到達した時点で大当たりになります。

ジャックポットがなくなり、ルールが大幅に変更されてしまいますが、全台停止は免れて稼働を継続させることが可能です。

 

・マスメダル全般(休止中・調整中の台)

大型の多人数が楽しめるマスメダル機の場合、もっとも単純なもので故障している台の主電源のみを切る方法があります。

対象の台でゲームはできなくなりますが、異常のない台だけで稼働し続けることができ、機種全体を停止させる必要はありません。

 

・その他

物理抽選を物理エンジンを用いた画面抽選に変更。

 

などなど

 

 

これらの設定は必ずしもすべての故障に対応することはできません。中には「基本的に故障してはいけない機構」が必ず存在します。

上記の抽選機構の例ですと、修復に時間と手間がかかりやすい部位であるため、このような措置が施されています。

 

 

 

★エラー回避

エマージェンシー設定よりさらに上級な方法が存在します。

 

本来ならエラーを出さなければならないものなのですが、ルールには表にされていない「仕様」としてゲームを続行することがあります。

 

例えば、ボールがフィールドに一定数払い出されており、これ以上のボールの払い出しができない場合に、次のボールが落ちるまでストックするといったものです。

 

ここでいう仕様はどちらかと言えばプレイヤーに不利になりがちなものが多いのですが、セガのメダルゲームには上手な工夫をしているところがあります。

 

・ホルカ・トルカ

ボールがピンパネル上に静止する「スタック」状態になったとき、単純に考えるとルールに対して例外な事象となるため、エラーを出すことになります。

そこで驚きなのが、別のボールを落下させて、プレイヤーに引っかかったボールを落とすミニゲームにするところが素晴らしく、「エラーをエラーとせずに、特別ルールとしてプレイヤーにボールを落とさせるように仕向け、エラーを修復させてもらう」のです。(ちなみにミニゲーム中に引っかかったボールが落ちなかった場合は本当に異常が起こったものとしてエラーになってしまいます)

 

・バベルのメダルタワー

ボール(オーブ)がこれ以上フィールドに払い出しきれない規定数に達すると、特例としてボールが直接落下したことと同等の処理になりゲームが続行するようになります。

これはプレイヤーに有利に働いている意味もあって、隠し要素的な位置づけであると思います。

 

 

特定の例外条件や故障が発生したとき、代替手段や特例を用いることで致命的な問題を回避することを「フォールトトレラント」や、「フェイルセーフ」と呼ぶようです。

メダルゲームの場合は「故障が起こっても、いかに稼働を存続させ続けられるか」であり、プレイヤーには大幅な不満を与えない程度にルールの変更を受け入れてもらいつつ、稼働できる工夫がいくつか整っているわけですね。

 

それでは~