決断を下したのは、もう怒りよりも呆れが勝るようになったから。


アタシが行かなかったら、逢えない。
アタシが縮めなかったら、埋まらない距離。


アタシは逢いたいから、二時間電車に揺られて通ってた。
一人で過ごす二時間も、逢えるなら苦痛やないって。

せやけど、こっちには来てくれへん。
仕事を理由に来てくれへん。
なのに仕事の前の日に朝まで酒を飲んでる。
バイトのシフトも京都に来る算段はしてくれない。


別に逢いたくないんかなって思った。
せやから、わざとアタシも仕事を詰めて毎週行くのを止めた。
逢いたいならスケジュールを合わせてくれるやろうと思ったし、ちゃんと行動で示して欲しかったから。
言葉がないなら行動で示して欲しかったん。


せやけど、結局は喧嘩ばっかり増えて。
切り離して考えろて言われたナリでも当たられる始末。
少し前のアタシの状態。
アタシは自分的には頑張って、当たりたいのを黙認する方向に消化した。
実際、泣いたりしたけど、重いて言われたら仕方ないし。

でも、立場が逆転した。
今度はサクハたんがナリを切り離せなくなって。
必死に「冷めよう」って努めてたのに、それもダメになった。



なんかもう、限界なんやと思った。



うたた寝をしてて、元彼の夢を見た。
アタシは「お前さえキッチリしてくれたら幸せになれるんじゃ!」て胸倉掴んで喚いてた。
そんな夢まで見てまうほど、私生活で切羽詰まってるつもりはなかったんやけど。



ついてけないから連絡を切るって言われてたのに、起きたらメールが入ってて。
瞬間、アタシは逢えんのも我慢してサクハたんが変化するん待ってんのに!ってキレてしもた。
自分の都合ばっか押し付けんな!って正直、呆れた。


せやから、お別れのメールを送った。
電話やとご家族にバレるとかあるみたいやし。



で、メールを見返したりしてて。
アタシがお別れのメールを送る前に届いてた短いメール、下へ下へスクロールしたら、めっちゃ改行した後に、めっちゃすきって書いてあった。




アタシはそれに気付かず激怒して、直ぐに呆れて終わりを選んでしまった。
引き留める言葉はなかったから、サクハたん的には別れても良い存在なんやなぁって思い知らされた。
好き、なんて言ってもサクハたんが嫌ってるオバサマと同じやて言われたし。
アタシと話してたら追い詰められるだけみたいやし。
日帰りでも良いから自分で動くほど、アタシに逢いたい訳でもないらしいから。


これでエエねん。
これでエエ。



そう思うしかないやん。
最近、ずっとサクハたんから別れ話ばっかされてさ。
好きやから引き留めて、一生懸命言葉にした。

やのに、本音も言うてくれへん、自分を責める言葉ばっかり。


アタシは大好きな人を潰す為に付き合ってるんやない。





引き留めてもらえんのが、向こうの答え。
納得するしかないやん。