自宅介護の家族にとって、

徘徊はいちばん困ることかもしれない。


徘徊には必ず「目的」があると気づくべきである。

目的の多くは「家に帰りたい」である。

この家というのは、

もちろん現在住んでいる家ではなく、

50年も60年も昔の、

自分が子供のころを過ごした家である場合が多いようである。

本人は幼児返りをしていて、

やさしかった今はなき両親のもとに帰りたがっているのである。

過去に幸せを感じている人は、

このように過去に帰りたがる傾向にある。

逆の見方をすれば、

現在に不安を抱えていることになる。


回想法などを通して時間を逆戻りし、

失われた時間を埋め戻していくリハビリテーションプログラムが必要である。

昭和時代の部屋を設けているデイケアもあるので、

こうしたことに参加しながら、

本人の気持ちを落ち着けていく方法をアドバイスするとよいだろう。


















より引用。