…「見る」
高校3年生のとき、初めて先生の前で言えた言葉。
たった二文字だけど、声になるまでは何ヶ月もかかった。
「先生に私の声を聞いてもらいたい」
ある日、自ら学校で発声練習をするようになった。
はじめは、筆談で先生にお願いをして
放課後のPC室に私1人。
インターネットで見つけた単語プリントを持っていき、読む練習。
しかし…
イメージトレーニングではスムーズだが、
やはり学校となると、どれだけ短い言葉でも声が出ない。
出そうとしても、本当に喉が閉まっているような感覚で音にもならない。
「悔しい…」 「つらい…」 「なんで…」
様々マイナスな気持ちがこみあげて、何度も泣きそうになった。心折れそうになった。
でも、私は諦めなかった。しんどくても、辞めなかった。
音にならなくても、その環境に慣れるために毎日欠かさずPC室に入った。
練習を繰り返しているうちに、ある日突然 …「見る」
声が出た。しっかり音になった。
嬉しくて嬉しくて、目の前も心の中も一気に明るくなったことを今でも覚えている。
その日から、少しずつ言える単語が増えていった。
一度声が出ると、その後は話しやすくなる。
気づけば、1人きりの発声練習を3ヶ月ほど続けていた。
言葉も増え、後に自信が湧いていき、遂に副担任の先生の前で挑戦する日が。
応接室で1対1。
確か… かなり時間はかかったけれど、初日で声が出せた記憶がある。
そして廊下でも …「見る」
部屋じゃないのに声が出た。
汗だく!動悸!震え!
↑こんな状態だったけれど、乗り越えた。
そう。
場面緘黙症の子が声を出せても、
「言えたじゃん!!」
「もう1回!!」
というように、激しく喜ぶことは絶対にしてはいけない。
悪化してしまう。
せっかく出せた声が、また出なくなる。
実際に経験したことがある…
副担任の先生は知っていたのか、
声が出せても、それが当たり前のような反応をしてくださった。
この対応が、本当に有難かった。
この日から、
私と副担任の先生の発声練習が毎日続いた。
もちろん上手くいかなかった日もあるけれど、どんどん話せる言葉が増えていき、簡単な単語はコンプリートできた。
オウム返しから始まったけれど、自分から言えるようにもなっていた。
「先生に私の声を聞いてもらいたい」
この気持ち、そして諦めなかった3ヶ月間。
結果的に克服に向かった。
諦めなければ絶対に目標は達成できる。夢は叶う。