6月に読んだ本や、視聴したVODなどのレビューをつぶやく。
6月の私は、人生の転機もあって、生活リズムが一変したので、読書の時間や自転車に乗る時間は少な目となった。
森見登美彦の妄想世界
先月、書店でポプラ社の『あるかしら文庫フェア』のコーナーを見つけた。
フェアの対象本は、表紙としおりがヨシタケシンスケさんのオリジナルイラストになっている。
『欲しい!』
衝動買いで2冊買っちゃった。
■コンビニたそがれ堂 村山早紀 2008年発行
村山早紀さんは、1963年生れで長崎県出身の児童文学作家。
風早町の赤い鳥居がある辺りに、そのコンビニがある。
その店では、失くしてしまった大切な物を見つける事ができるらしい。
登場人物にとって、それぞれの大切な物へのエピソードが綴られていく。
児童書は漢字が少なく、スルスルと読み進める事が出来る。
このシリーズは5巻まであるので、他のも読んでみたいかな。
■恋文の技術 森見登美彦 2009年発行
主人公の守田一郎と、周囲で関わる人たちとの書簡体小説。
森見作品は毎度のことながら、リズミカルで調子のいい言葉で綴る独特の世界観だ。
森見スト(そう呼ぶかは知らないが)を痺れさせる祇園祭りや天狗、黒髪の乙女や詭弁踊りなどのキーワードも、きっちり織り込まれている。
私個人の森見登美彦氏の小説の感想は、読み手は妄想を想像しなければならず、『読むのに疲れる本』の一言だ。
しかし、長男は森見ワールドが好きで、我が家の本棚には10冊以上の蔵書がある。
なにげに達磨も置いているので、隠れ森見ストなのだろう。
6月は『死』についての本を読んだ
■かたみ歌 朱川湊人 2005年発行
朱川湊人さんは、1963年大阪生まれ 直木賞作家。
東京のとある下町。懐かしさも残るアカシア商店街で起こる不思議な物語。
昭和40年代を舞台に語られる7つのストーリーには、当時の流行歌が登場する。
モナリザの微笑、黒ネコのタンゴ、いいじゃないの幸せならば、みなしごのバラード、心の旅など。
それぞれの曲をYoutubeでもう一度聞き直してみると、神社の境内や阪堺線、銭湯のケロリンなどが、セピア色で思い出された。
■長いお別れ 中島京子 2015年発行
作者自身も経験した、アルツハイマー型認知症を発症した父親の10年にわたる介護の物語。2019年には、山崎努、松原智恵子、蒼井優、竹内結子らの出演で、映画化もされている。
ゆっくりと家族や友人、言葉や文字、そして思い出や自分の事を忘れちゃうってどんな感じなんだろう?
そして、私がゆっくりと忘れられてゆくのは?
お父さんの『嫌だ』は我儘ではなく、忘れてはいるが、本能的に意思表示したのだろう。そして、帰りたがっていた場所があった事を思い出したのだろう。
中島京子さんは、1964年東京都生まれ。直木賞作家。
その文章は、軽快でリズミカルで心地よく読み進められる。
例えば、『昭和を感じさせる料理屋に、明らかに現役を引退した老人二人。
小野安二郎の映画のような光景がそこに広がり・・・』
とか、『ここが異次元のお風呂屋で、カオナシが出て来たって驚かないよ・・・』など。
そんな文章を読んでいた私は、たぶんニヤニヤしていただろうな。
■時給三〇〇円の死神 藤まる 2017年発行
父親が起こした事件によって家族は離散。さらにケガによってプロサッカー選手の夢が破れた不幸な男子高校生が主人公。
この世に未練を残した死者は、ロスタイムと呼ばれる自分が死んでいない事になっている世界に生き続けている。
彼のアルバイトは、死者の未練を果たし、成仏させてあげる事だった。
■七十歳死亡法案、可決 垣谷美雨 2012年発行
少子高齢化によって年金制度は崩壊し、医療費もパンク寸前の日本政府は、2020年に七十歳死亡法案を強行採決。
『満七十歳になった日本国民は、その誕生日より30日以内に死ななければならない』その法律が施行される2年後まで、人々は自分の生をどの様に考え、過ごすのか?
インパクトのあるタイトルに、思わず手に取ってしまった。
ストーリーでは、少子高齢化、健康寿命、若者の就職難、ブラック企業、介護職の現状、要介護者のいる家庭など、いろいろな社会問題について書かれている。
ネタバレになるので、何もレビューは書かないでおく。
いつまで生きるのか分からない不安より、ゴールが決まっている方が幸せなのか?そんな事を考えちゃう一冊。
目次のタイトルに心がチクッと痛む。
・早く死んでほしい
・家族ってなんなの?
・能天気な男ども
・生きててどうもすいません
6月のVOD
■ルームロンダリング 2018年7月公開
監督:片桐健滋 出演:池田エライザ、オダギリジョー、伊藤健太郎、光宗薫
不動産業界で、まことしやかに語り継がれる、事故物件の告知義務の話。
事故物件にひとまず住んで、告知義務を解消するルームロンダリングを商売にしている不動産業のオダギリジョー。
実際に住まわされるのは、姪の池田エライザだ。
ストーリーは、スリラーではない。訳アリの原因となるそこで死んだ霊とのファンタジーだ。
私も10回の引っ越しをしたけど、霊的な不思議な体験は一度もなかったな。
■コーヒーが冷めないうちに 2018年9月公開
監督:塚原あゆ子 出演:有村架純、伊藤健太郎、波留、薬師丸ひろ子、石田ゆり子、松重豊
川口俊和の同名の小説が原作。
その喫茶店『フニクリフニクラ』では、自分の思う時に時間を移動する事が出来る席がある。しかし、その条件は少々面倒くさい。
前半は、原作に沿ったストーリーで進む。薬師丸ひろ子さんと松重豊さんのやり取りは、内容を知っていても涙が止まらんかった。
後半は、映画版としてのストーリーで、謎の部分を解決してくれる。
満足度高く、優しい気持ちになれる1本だ。
■死役所(シヤクショ)
2013年から連載されている、あずみきし氏原作の漫画のドラマ化。
2019年10月からテレビドラマで放送された10話を一気に視聴した。
ドラマ版の出演は、松岡昌宏、黒島結菜、清原翔、松本まりか、でんでん。
死んだ人が、成仏する為の手続きを行う『死役所』が舞台だ。
死んだ理由ごとに、自殺課や病死課、交通事故死課、老衰課、他殺課などがあり職員が死んだ方から、死んだ時の事情を聞くストーリー。
死んだ人にも死なせた人にも、いろんな事情があるんだな。
そして、シ村さんの事も分かってくる。
あ〜10話のドラマじゃ消化不良を起こしそうだ。
人生の転機についての備忘録
6月に起こった大事の一つは、父親が亡くなった事。
昨年末に入院してから、徐々に体力も落ちてきていたが、そのまま電池が切れる様に亡くなった。
性格のおとなしい父親だったが、その人柄らしい最後だった。
父親の形見って『腕時計』が一般的だと思ったので、実家のチェストにあった古い腕時計を持って帰る事にした。
しばらくして気が付いた。この時計は私が高校入学の時に父親に買ってもらったものだと。
あまり物欲がなく、おとなしい性格の親父は、私が実家に残した腕時計を40年近くも使ってくれていたんだな。
大事のもう一つは、6月から仕事に復帰する事にした事。
昨年の長い入院生活で、今後どんな人生を送るか?を考える時間がたっぷりあったからね。
新しい事にチャレンジするつもりで、もう一度仕事がしたくなったのだ。
生活のリズムが変わると、面白い事や夢中になれる事も変わると思う。
それが楽しみなんだけど、この年で生活を変えるなんてちょっとした勇気が必要だ。
でもね、自分にはまだ少しだけ勇気が残っていたらしいんだよな。
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