何度も繰り返す入院生活の事を告げると、学生時代からの友人『かもめ君』がお見舞いに本を送ってくれた。

事前にメールで『リクエストは?』と聞いてくれていたので、遠慮せず『ハードボイルドなヤツ』とお願いしていた。

彼はすごい読書家でハードボイルド系をよく読んでいるのを知っていたから。

てっきりスパイや殺し屋が出てくる男臭の濃い小説が送られてくるのでは?と予測していたんだけど、来たのはこれだった。

 

 

若竹七海さんの『葉村晶シリーズ』が6巻。

かもめ君のコメントによると、『外さない1冊。どの巻からでも面白い』のだそうだ。

 

 

  葉村晶シリーズ 悪いうさぎ

 

『葉村晶シリーズ』の主人公は、仕事はできるが不運すぎる女探偵だ。

 

わたしは葉村晶という。国籍・日本、性別・女。

吉祥寺の住宅街に店舗をかまえるミステリ専門店のアルバイト店員にて、この本屋が始めた<白熊探偵社>に所属する唯一の調査員である。

で始まるミステリ小説。

 

 

■悪いうさぎ 若竹七海 2001年発行

かもめ君の『どの巻からでも面白い』のアドバイスで、タイトルで決めて読みだしたが、発行の時系列で言えば、『依頼人は死んだ』(2000年発行)に次ぐ2作目だった。

コミカル25%、シリアス75%のテンポのいいストーリーにグイグイ引き込まれていく。読み終えて、タイトルのセンスに感じ入った。

登場人物が多く、特に女性の名前が覚えるのに苦労したのは年齢のせいだろうか?

 

■依頼人は死んだ 若竹七海 2000年発行

『悪いうさぎ』を読み終えて、これは時系列で読んでみようと思い立った。

葉村晶は29歳で、長谷川探偵調査書の契約調査員だった頃の話だ。

9話の短編集で、どのタイトルにも感心する。

 

 

■さよならの手口 若竹七海 2014年発行

前作の『悪いうさぎ』から14年後の3作目の作品。

小説の中でも約10年が経っているって設定で、葉村晶は40代前半と述べている。

 

20年前に行方不明となった元大女優の娘を捜索する依頼は、物語の中盤で事件の真相が判明してしまうが・・・

ニヤッと笑える毒舌と縦横に張り巡らされた伏線がスルスルと回収されてゆく気持ちのいい一冊だった。

 

■静かな炎天 若竹七海 2016年発行

前作の『さよならの手口』と同じ年の秋から冬にかけてという設定に、やはり時系列で読んだ方が面白いなと改めて感じた。

四十肩を発症した女探偵に様々な不幸が起こる短編集。

 

 

■錆びた滑車 若竹七海 2018年発行

前作『静かな炎天』の翌年の年末って設定。

老女の尾行の依頼からトラブルに巻き込まれ、交通事故で記憶を失ったヒロトの事故の事を調べる事になる女探偵。

今回も骨折やヒザの痛み、階段から落ちたり火事があったり不幸な事が起こる。

長編は登場人物も多く、伏線も多い。

じっくり読まないとストーリーの迷子になりそうだ。

 

■不穏な眠り 若竹七海 2019年

4話の短編集。スラスラと読めてしまうが、意外と本気のミステリに内容が『ん?』となる場面もある。

1話ずつをじっくり読まないといけない。

 

葉村晶シリーズとしては一番最近の発行で、初版限定付録に葉村晶シリーズガイドが挟まっていた。

 

 

これによると文春文庫以外からも、葉村晶が登場する本が出版されている様だ。

これは、読まずにはいられないな。

 

 

ミステリ小説だけに、内容には出来るだけ触れずに紹介したい。

葉村晶シリーズを差し入れてくれた『かもめ君』もそこんとこが分かっているのだろう。

『開けてビックリ感を楽しんでね』の一言を添えてくれていた。

 

『かもめ君、とても素晴らしいチョイスに感謝です。次の入院に3冊持っていこうと思ってたのに、自宅で全部読んじゃったよ。

ミステリ物はあまり読まない私ですが、ハマってしまった事にビックリです。

ありがとうございました。』

 

 

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