10月7日
飛騨高山を初めて訪れたのは、高校2年生の夏休みの自転車旅行だ。
当時の旅日記を読み返すと、高山に2泊した翌日は、国道361号線で朝日村を通り、県道36号線の野麦峠で1泊して松本へ向かっていた。
高山から松本へは安房峠か野麦峠のルートがあるんだけど、野麦峠を選んだのは大竹しのぶさん主演の映画『あゝ野麦峠』で名前を知っていたからって理由だったはず。
7時出発。高山市街から穂高連峰と乗鞍岳の山々を望めるアルプス展望スカイパークへ向かう。
前日は夕日の山々がきれいに見えたのに、今朝は展望がなくて残念だ。
国道361号線は木曽福島に抜ける主要道路で、昔は山間部の細くカーブの多い道だったが、今は走りやすくなっている。
途中の権現トンネルの坑門には、これから向かう野麦峠の石碑のレリーフが施されていた。
かつては車の離合もできない細く急な難所だった高根第一ダムの旧トンネルは、約2キロの新トンネルの開通で通らなくてもよくなっていた。
この旧トンネルの写真を撮っていると、車高の高い四輪駆動の車が通って行く。今は廃道好きな人しか訪れないのだろう。
さて、ここまで来て野麦峠は今年8月の自然災害で松本市奈川側が通行止めとなっている事が判明。
(通行止めを知っていた安房峠は7月に開通していた事も、この時に知った)
前日にちゃんと道路規制情報を調べておかなかったのは失敗だったな。
まぁ、行きあたりばったりの旅の面白いところだとポジティブに考えて、このまま木曽福島に向かう。
いや、向かうしかない。
日和田の原家住宅跡。
周辺は明治時代まで木曽馬の産地で、馬大尽と呼ばれた原家は親馬1700頭を持つ大馬親方だった。
30数キロ離れた木曽福島の馬市まで、他人の土地を踏まずに行けたとか。
長峰峠を越えて開田高原から御岳を望むが、今日は雲がかかっていて、山頂を見る事は出来なかった。
開田高原には、木曽馬を見れる木曽馬の里もある。
国道19号線は中山道。
江戸時代の旧街道をゆく人たちは、木曽福島でそばを食べたそうなので、私も倣うことにした。
奈良井宿は江戸方から34番目の宿場町。
鳥居峠を控え、奈良井千軒を言われるほど大きな宿場町で、木曽漆器の産地でもある。
時代劇のセットか?と思う程、旧街道の雰囲気を感じられる重要伝統的建造物群保存地区。
中山道の『是より南 木曽路』の石碑。
山間部の難所だつた木曽十一宿は越えたって事やね。
国宝松本城は、現存天守12城の一つで、戦国時代に建造された5重6階の平城だ。
黒と白のコントラストが力強く見えてカッコイイ。
5~6人ずつ入場する内部見学で一緒になった中学校の修学旅行グループが楽しそうだ。
先月だったら来れなかっただろうし、来れて良かったね。
博物館などで、鉄砲の展示はよく見るが、ピストル型の展示は少ない。
銀河鉄道999の星野鉄郎やキャプテンハーロックが持ってる宇宙戦士の銃みたいなデザインに目が釘付けになった。
ブラタモリで取り上げられた、徳川家光をもてなす為に造られた月見櫓は、現在工事中。
耐震不足なのだろうか?
日暮れは18時頃だろう。
なのに早く暗くなったなと思ったら、松本盆地は標高3000mの北アルプスの日陰になるんだな。
これが信州の風景なんだ。
諏訪湖に宿を取って、上諏訪湖温泉の片倉館の千人風呂に入りに行く。
重要文化財になったからか、入浴料が750円に値上がりしていたな。
深さが1メートルもあって、底に那智黒の丸い石が敷き詰めてある。
ステンドグラスや彫刻の内装はテルマエロマエの世界だ。
画僧はHPより拝借
後輩に教えてもらったのだが、諏訪のご当地ラーメンはニンニクと辛みそスープのハルピンラーメンなんだって。
食前食後にジャスミンティーが出てきた。
宿に戻って今日の記録をつける。
出費はホテル代と昼食のそばと松本城の拝観料とガソリン代とか。
そして、今日のコースの事。
旅日記が一番の自分へのお土産になる事を、私は知っている。
216キロ走行
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