白黒つけずグレーにしたまま次へ進もう
ゆでたまご著『キン肉マン10巻』集英社
7人の悪魔超人初登場時のシーン。
これ、キン肉マンファンならよく知っていると思います。
プリプリマン(真ん中にいる頭がない超人)など、後に登場しない超人が出てる。
そして次のページでは、
ゆでたまご著『キン肉マン10巻』集英社
悪魔超人らしき男が8人に。
本来のメンバーであるステカセキング、魔雲天、ミスターカーメンが見当たらない。
(プリプリマンはどこ行った?)
キン肉マン 10 (ジャンプコミックス)
440円
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どういうことなのか?
一説には、
「まだこの回を描いた時点では、7人の悪魔超人のメンバーが確定しきっていなかった」と言われています。
それはそうと当時(1982年頃)、
週刊少年ジャンプより後に発売された単行本でも描き直されていない、
2013年に発売された改訂版でも相変わらず元のまま。
謎に満ちた悪魔超人初登場シーン。
真相はハッキリしません。
よくわかりません。
よくわからない、
だからこそ面白い、ともいえます。
このシーン以外にも、
キン肉マンという漫画には、「よくわからないシーン」というのはたくさんあります。
ツッコミどころというのは山ほどあります。
キン肉マンが好きな人は、みんなそれを楽しんでいます。
ゆでたまご先生も同じだと思います。
矛盾やツッコミどころに寛容。
「まいっか」というノリで、先へ先へ進んでいる。
白黒ハッキリさせようとせず、
グレーにしたまま次へ進んでいる。
■病気も消える
キン肉マンの世界同様、
世の中にもハッキリしないこと、
グレーゾーンというのは山ほどあります。
たとえば、腰痛。
慢性腰痛というのも、よくわからない事象です。
なぜ痛むのか?がハッキリしないんです。
整形外科へ行けば多くの場合、ヘルニアだの脊柱管○○症だのいろいろ診断名がつけられます。
骨格や関節、筋肉…
「体の構造に異常があるから腰痛が起こる」とされています。
しかし近年、その説は否定されるようになってきました。
関節や筋肉の異常で腰痛が起こるのではない、
「脳が敏感に痛みをキャッチすることで腰痛が起こる」
という説が有力になってきました。
ただ、それさえもまだ解明されておらずハッキリとはしません。
私も腰痛に関してはいろいろ勉強したのですが、自分なりにこう考えました。
「腰痛改善とは、腰痛にかまうのをやめ、人生を先に進めること」
腰痛にかまう…
病院へ行って検査に検査を重ねたり、腰痛体操を念入りにやったり、治療院に通いつめたり…
そうすることで腰への神経が強化され、脳が敏感に痛みをキャッチすることになる、
だから要は、脳が痛みをキャッチしないようにすればいい、
そのためには腰痛にかまうのをやめること。
そして、自分が人生でなすべきことをこなしていけばいい。
人生を先に進める過程で腰痛は気にならなくなっていくのだ、と。
痛みの原因はハッキリわからなくてもいい、
グレーにしたままでいい、
自分の人生を生きるために先へ進んでいこう、と。
実際私は20代のころ、そうすることで腰痛を克服してきた経験があります。
当時あきらめかけていたプロレスに復帰しようと決意、
動き始めたら腰痛が気にならなくなっていった、という経験があります。
「グレーにしたまま先へ進むこと」
慢性腰痛だけではありません。
慢性的な病気や症状もそう。
「85%の病気・症状は原因不明」とも言われています。
→内海聡著『医学不要論』廣済堂新書
症状をハッキリと解明しよう、白黒つけようとすると悪化することが多々あります。
「医原病」とも言われていますが、
病院へ行って検査や治療を行うことで、症状が重くなってしまうのです。
もちろん、すべての病気や症状でいえる話ではありません。
しかし、多くの慢性的な病気や症状は、
病院で診てもらう必要はない。
精密検査して深掘る必要はない。
白黒ハッキリさせようとしなくていい。
グレーのまま先に進んだほうが身のためになるのです。
■グレーを許す
病気以外にも世の中にはたくさんの「よくわからないこと」があります。
未来、世界情勢、死後の世界、
宇宙の謎、自然現象、人の気持ち(特に女心)…
いくら考えても明確な答えが出ない問題というのはたくさんあります。
いくら考えても白黒つかない事象もたくさんある。
専門家や学者は別として
そうした「よくわからないこと」はあまり考えすぎないほうがいいんですよ。
白黒つけずグレーにしたままで、次に進んだほうがいい場合ってのも結構あるんです。
そのほうが、結果的にうまくいく、ラクになる、楽しくなるケースも多々あります。
(キン肉マンの世界のように)
絶対的な正解を求めようとしない、
「よくわからない」を許容する。
許容した上で、次へ進む。
白黒ハッキリさせよう、
その暇があるなら、もっと大事なことに取り組んだほうがいい。
自分のやりたいことに、
自分のなすべきテーマに向き合ったほうがいい。
大切な時間を大切なことに使う。
「『よくわからないこと』はほっといて、次へ進もう」
私は常々そう考えてます。