2017年3月19日 堺浜エンデューロ翌日。
昨日の興奮冷めやらぬ状態で葡萄坂を登る決意をする。
平坦を速くなるには強度の高い練習が必要だと
安易な考えでヒルクライムの練習場として有名な葡萄坂をチョイス。
SPD-SLに変えたばかりのペダルに不慣れなまま、万が一を考えて
小さめのバックパックにスニーカーを入れ柏原市に向け出発。
大和川のCRを走るのは初。追い風基調で走り易い。
と言う事は帰りは向かい風の中を帰らねばならない。往路で少し気が重くなる。
堤防上の道をリビエール目指し、ペダルを漕ぐ。結構疲れてきた。
この状態のままヒルクライムなんて出来るのだろうか。
不安がよぎりつつも、リビエールに到着。
少し休憩して、そのまま大県セブンへ移動。
初ヒルクライムで初葡萄坂。
京都の実家は山の中腹にあって、昔はママチャリでほぼ毎日坂を登っていた。
坂を登るの事に対しての抵抗は無い。しかし、ブランクの方が長くなっている。
ルートラボでコースは確認したが、どれくらいの時間がかかるのか。
そして最大の不安要素であるSPD-SLのペダル。
疲弊したタイミングでコイツからクリートをするっと外せるのか。
一応練習はしたが、まだぎこちない。咄嗟にひねって外す判断が出来るか正直怪しい。
悩んでも仕方ないので、とりあえず登る事にした。
セブンを出発。フロントをインナーに落として飛ばし気味に登ると・・・いきなり墓場前のヘアピンで
脚消耗。ヤバイ。早くも疲れてきた。
マンションで一回足つき。なんとかクリートは外せた。
息が上がる。キツイ。まだほんの少し登っただけと言うのに、このまま変電所前まで行けるのか?
呼吸が落ち着くのを見計らって、再スタート。フラフラする。
そして脚が急激に回らなくなった!これはアカンやつ!!!
急いでクリートをペダルから外そうとしたが、全く外れない。恐れていた事が早くも起きた。
ふらついて左側に立ちゴケ。壁があって助かった。左肩でなんとか転倒までは免れる。
後ろから来ていた軽トラがスローダウンして、運転していたおっちゃんが心配そうにこちらを見た。
OKサインを手で作って大丈夫をアピール。(いやほんとはヤバいんだけど。)
どうする?ここまでにして今日は撤退するか・・・悩んだ。
否、登り切るまでは帰らん!!!と決意するも、
なんなら今すぐ逃げ帰りたい気持ちがこみ上げている。
登りでクリートが嵌めにくい。何度もペダルの上でクリートが滑る。怖い。
歩くのよりも遅いぐらいのスピードで納骨堂までやってきた。
ここで再度足つき。ほんとにしんどい。マジでやめたい。
堺浜をぐるぐるしてる方がよっぽど楽だとこの時思った。
三度スタート。
平坦区間のおかげで少し脚が回るようになった。
まだ登れるだろうか・・・と思った矢先、平坦区間が終わった。
坂が目の前に現れる。
脚が重たい・・・・もうペダルを踏む力が無い。
そして、クリートを外す事も出来ずにそのまま右側に派手にこけた。
運良くこの時は後ろから車が来ていなかった。
車体に挟まれた右足のクリートを必死にひねって外す。
左脚のクリートも外して脱出。
車体を起こして、リアディレイラーを確認。
表面が削れた程度。ハンガーは曲がってない。
走行に支障はなさそう。
しかし、斜面で発進する力が残っていなかった。
仕方なくロードを押して、平坦箇所まで歩く。
車体に傷をつけた事に気持ちが凹んだ。
押し歩きした事が凹んだ気持ちに追い打ちをかけた。
道が平坦になった。四度目の正直。クリートをはめる。
走り始めて平坦区間が終わり、また坂になった。
登っている途中でまたまた脚が回らなくなった。
さっきと同じように右側に派手にこけてしまった。
身体が捻じれて背中から落ちた。
バックパックを背負っていたおかげで衝撃を吸収。
が、この時は最悪で、後ろから車が来ていた。
ゆっくり登ってきていたので辛うじてかわしてもらえた。
下手したら死んでたかもしれない・・・無茶苦茶恐ろしくなった。
なんとか体制を立て直し、
左脚のクリートが嵌められないまま、走り始めた。
滑るペダルをクリートの平面部で何とか踏みながら、
廃タイヤ前を通過して、登り区間の終わりが見えた。
下りを全く踏まずにおりきると、目の前に変電所が見えた。
やっと辿りついた。その瞬間、どっと疲れてしまった。
登り切ったなんて到底言えない状態で、初葡萄坂にコテンパンに打ちのめされた。
更にこけまくった事でトラウマになってしまい、
4か月後迄、葡萄坂には寄り付かなくなってしまうのだった。
初葡萄坂 39:47 転倒4
次回「友人Kとの練習」に続く
※少しだけ補足※
現在の葡萄坂ヒルクライムはベストタイムで平均くん越えしてます。
この内容を読んで、ビビって行くの止めようとか思われた人が居たら、
それもアリです。
ビビらせるつもりで書いているのではなくて、私の未熟さ故に起きた事、
ヒルクライムの鉄則とも言える一定ペースの維持がこの時に出来ていなかったのが
最大の敗因です。ゆっくりでも良いからペダルを回し続ける事が出来るのであれば、
また、最初の墓場ヘアピンと納骨堂直前のカーブを我慢出来るのであれば、
変電所前までは辿り着けるはずです。
ただ、私のように意地になって登る必要性は無いので、危ないなと思ったら、
坂を降りる決断もしてください。
事故を起こしてからでは遅いです。
怪我無く家に帰る。走る喜びを感じる。他人に迷惑をかけない。
ロードバイクを愉しむとはそういうものだと思っています。