個人的にかなり好みだった映画『告白』 | ゲーム等々

個人的にかなり好みだった映画『告白』

今日映画『告白』を観に行ってきました~。とにかく個人的にかなりツボだったので紹介しようと思います。というより書いてみたところ感想に近いですね(汗
本編の内容にも触れているのでネタバレ嫌いな方は読まないでください。

もともと人が狂っていく様子を描く映画がわりと好きで、ホラー系とかちょっと苦手な割によく観るんですよね。怖いもの見たさなのかよくわかんないんですがなぜか魅かれるんです。別に頭おかしい人を崇拝するとかそんなわけでもなんでもないんですが。なかなか危ないですね笑
そういう人間なのでひいき目なところもあるかもしれませんが、非常に満足な出来でした。

なんといっても登場人物それぞれの心情の描き方が上手い。ある事件から引き起こされる一連の物語を多人数の視点からそれぞれの内面を描きつつ奇麗につむいでいく、という映画全体の流れはシーンの派手さがなくとも引き込まれます。同時系列の人物の動きを何度も描いて出来事の真実を映し出していく『バンテージポイント』という映画が去年ありましたが、毛色はかなり違うもののそれぞれの視点をつないでいく興奮という点では勝るとも劣らないです。

さらにそうして紡がれる話の内容というのがまたエグいんです。
それぞれ登場人物が自らの心の本音を告白していくことになるのですが、どの人物も世間一般的にいえば狂っている。それも法律を犯すというレベルで。ただ、それぞれが狂っていく過程を観ていくとどれも理解できるんです。自分がそうするかどうかは別として、例えば直樹が凶行に走る瞬間の考えだってわかりますし、俊哉が純粋に母親を求めていくのだってわかります。ふとした弾みで狂いが生じることは人間誰しもあるもので、それが単に映画内では振れ幅が大きかっただけ、タイミングが悪かっただけ。映画内では最初の娘の事件が発端となるわけですが、実際そんな大層なことでなくても人は狂うものかもしれません。

人が何を考えているのかなんて結局どうしたって分からないわけで、人が何をされて狂いが生じるのか、特に他人との関わりでどう狂っていくのかは本人にしかわかりません。本当に些細なことで人が狂うシーンはもはや滑稽というに近いですが、そのくらい人の感じ方は違うということを強調していると言えるかもしれません。

印象的なのは森口も俊哉も、そして映画の締めくくりもなんですが、一般的に言われる真面目そうな奇麗事を言った後「なーんてね」という茶化した言葉をつけていたところ。終始非人道的な行為を繰り返す森口と俊哉ですが、結局のところそうやって茶化した言葉をつけて自分に余裕があるフリをしないと行動ができなかったのではないかなと。二人が起こす数々の行為は現実から目を背けるための戯れだと心の底では気づいていたように感じます。映画全体として何も救いのない絶望的な物語に見えますが、観る人が救いなり、悩みに対する答えなりを探し出すものなのかもしれません。


とこんな感じで梅雨の雨のせいか若干メランコリックな感じの感想をもってしまいましたが、私的な感想にすぎないかもしれないです。でも人間関係に悩みを持ちがちな人とか心が繊細な人ならいろいろ感じ取れる映画だったと思うのでぜひ劇場で集中して観てもらいたいです。ここ最近観た映画のうちではかなり感銘を受けました。とりあえず今度原作の小説を買ってみようと思ってます。