生後半年を過ぎると、去勢手術を検討し始める飼い主さんも多いでしょう。
去勢手術には様々なメリットがありますが、手術後の変化や注意点もあります。
この記事では、去勢手術後の犬の変化と注意点について詳しく解説します。
去勢手術のメリット
- 発情期の問題行動が解消される
- 性行動による事故のリスクが低下する
- 前立腺がんなどの病気のリスクが減る
- 多頭飼育時の階級トラブルが減る
去勢手術には、発情期の問題行動や性行動による事故のリスクを軽減できるなど、様々なメリットがあります。
また、前立腺がんなどの病気のリスクも低下するため、愛犬の健康面でも有益です。
さらに、多頭飼いをしている場合は、去勢することで階級トラブルが起きにくくなります。
しかし、手術後の変化や注意点もあるため、十分に理解しておく必要があります。
太りやすくなる可能性
- 代謝が低下して太りやすくなる
- 適正な運動と食事管理が重要
- 肥満は健康リスクにつながる
去勢手術後の大きな変化として、代謝が低下して太りやすくなる傾向があります。
雄の犬は、雌の犬に比べて基礎代謝量が高く、活発な活動量も多いため、去勢によりこれらが低下すると、同じ量の食事では肥満しやすくなります。
肥満は、関節障害や心臓病、糖尿病などのリスクを高めるため、適正な運動量と食事管理が重要です。運動不足や過剰な食事は控え、標準体重を維持するよう心がける必要があります。
性格の変化
- 落ち着きが出て穏やかになる
- 過剰な territorialityが和らぐ
- 個体差があり変化がない場合も
去勢手術後の性格の変化としては、落ち着きが出て穏やかになることが一般的です。発情期の攻撃性や territorialityが和らぐため、多頭飼育の場合は階級トラブルが起きにくくなります。
ただし、個体差があり、性格に大きな変化がない場合もあります。
手術前から落ち着いていたワンちゃんでは、変化を感じにくいかもしれません。
ホルモンバランスの変化
- テストステロンの減少による影響
- 肌質や被毛の変化の可能性
- 精神面への影響も個体差がある
去勢手術により、雄性ホルモンであるテストステロンが減少します。
このホルモンバランスの変化により、肌質や被毛の変化が起こる可能性があります。
例えば、被毛が少し柔らかくなったり、抜け毛が減ったりする場合があります。
また、テストステロンは精神面にも影響を与えるため、集中力の低下や活動量の変化などが起こる個体もいます。
ただし、これらの変化には個体差が大きく、ほとんど変わらない場合もあります。
手術後のケアと注意点
- 術後は安静にする必要がある
- 抗生物質や鎮痛剤の投与が必要
- 術後の観察が大切
- 適切な運動と食事管理が重要
去勢手術後は、一定期間の安静が必要です。術部の傷口が完全に癒えるまでは、過度な運動は避けましょう。
また、術後は抗生物質や鎮痛剤の投与が必要な場合もあり、獣医師の指示に従う必要があります。
術後は、食欲不振や嘔吐、発熱など、異常がないか観察することが大切です。
万が一異常が見られた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
また、太りやすくなることを踏まえ、適切な運動と食事管理を心がけることが重要です。
手術時期について
- 6〜12ヶ月齢が一般的な時期
- 早期手術は成長への影響が懸念される
- 高齢期の手術は危険性が高まる
犬の去勢手術は、一般的に6〜12ヶ月齢の間に行われることが多いです。
この時期は、成長がほぼ終わり、発情期を迎える前の適切な時期と考えられています。
一方で、4ヶ月齢以下の早期手術は、成長への影響が懸念されます。
骨や関節の発達に影響を及ぼす可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
また、高齢期の手術は、全身麻酔のリスクが高まるため、注意が必要です。
まとめ
犬の去勢手術には、発情期の問題行動や性行動による事故のリスクを軽減できるなどのメリットがありますが、太りやすくなったり、性格や被毛に変化が出る可能性もあります。
手術後は、適切な運動と食事管理が重要で、術後のケアにも気を付ける必要があります。
手術時期は6〜12ヶ月齢が一般的ですが、個体差を考慮し、獣医師と相談しながら判断することが大切です。
去勢手術は、愛犬の健康と飼い主さんの生活環境の両面から検討する必要があります。