私の医療保険をお願いしている担当さんの奥様は、

私が手術した半年後に私と同じS字結腸ガンを患い

私と同じ病院で手術された。

同じくリンパ節に転移があり、

抗がん剤治療も追加となった。


私はUFT・ユーゼルの治療だったけど、

彼女はもうひとつ上の点滴による抗がん剤だった。


白血球の数値が異常で、

他の病気を疑われ他の病院で専門の検査を受けたりで、

抗がん剤の治療を開始するのにも時間がかかった。


抗がん剤が始まってからも発熱や白血球の数値異常から、

何度も予定の日から始められず、

半年で終了するはずの抗がん剤が、

8ヶ月もかかって終わり、

やっと普通の生活に戻っていた。


3月に担当さんと会ったとき、

『腫瘍マーカーの数値が高くてまた抗がん剤になるかも。』

そう言っていた。


気にはなっていたけれど、

こちらの方からどうだった?と聞くのもおかしな話なので、

何も聞かずにいた。


今日、

別の集金で久し振りに会ったので、

奥さんの様子を訊ねると、

『また抗がん剤だよー。』

え?再発?転移?

『肺と肝臓に転移があった。


手術はできないの?

『手術は考えてないみたい。今日から抗がん剤だ。

前の抗がん剤は合ってなかったんだねーって言われてもねー。』

そうだね。

でも合う合わないはやってみないとわからないもんね。


『手術して1年も経たない内の転移だからねー。』

先進医療特約してないの?

鹿児島のオンコロジーでセカンドオピニオン受けてみたら?

私にはもし仮にそうなったとしたら

自分が受けたいと思っていた治療を

こういうのがあるよと教えることしかできなかった。


私より2歳も若いのに。

今度の抗がん剤が効きます様に。


今度は誰にも言ってないし言わないと言ってたな。

前回の時も自分の職場に言わないというのを、

休んだり途中で抜けたりしないといけなくなるから、

せめて社長には言っておく方が動きやすいよとアドバイスした。

そしてその時はそうしたみたい。


誰にも言わないのなら

一人で全部を受け止めなくちゃいけなくて辛いだろうな。

辛かったり苦しかったらいつでも話を聞くからね。

そう言うべきだったな。

明日ラインしとこう。


病気と闘ってる本人も辛いけど、

直ぐそばで支えている人だって辛いんだ。


彼は私よりずいぶん年上で男だから、

きっと私の前でメソメソはしないだろうけど、

たぶん苦しいだろうから。

その苦しい胸の内を聞くことぐらいはできるだろう。

何のアドバイスもないけれど、

聞いて共感することだけはできる。

辛いね。苦しいねって、

一緒に悲しむことはできる。

あなたが稼いで治療費出さねばと

叱咤激励することはできる。


怖いな。

今、

私は何の問題もなく1年半が過ぎたけど。

こういう話を聞くと怖くなる。