先日、
「舞台刀剣乱舞 禺伝矛盾源氏物語」を観劇するために
大阪へ行きました。

※ちょいちょい刀関連の話題を出しますが
 わからない方はスルーしてくださいね。

舞台は最高の一言につきます。
組のトップだった宝塚OBが演じる
刀剣男士(男装)を生で観劇できたのは一生の思い出でしたよ。

おっと、
今回は観劇レポをするつもりではありませんでした。


「大阪へ行く(ソワレなので夕方から観劇)」
  ↓
「どうせ一日仕事を休むのだから
 朝から出かけよう。
 そうだ、京都へ行こう」

そして、どうして京都だったかというと
「本能寺へ行きたい!」
だったのです。

今年の大河ドラマで徳川家康の話をしているので、
その流れで織田信長はホットな話題。
……というわけではなく、
本能寺の敷地内にある宝物館に所蔵されている
「安綱(南蛮拵)」を久しぶりに見たかったから。

そして、本能寺へ行くなら
ちょっと歩いたところにある
「御金(みかね)神社」へも参拝したい!

そんなノリで、夕方まで京都をうろうろする旅に決定。



朝10時くらいに京都駅に到着。
せっかくだから街中を眺めたいのと
途中にあるお寺や神社にも参拝したいと思い
五条四条方面へと向かって歩き始めました。

最初に向かう御金神社は、二条城や御所の近く。
歩いて行くにはまあまあの距離でしたが、
噂の金運アップの神社へなんとか到着。
金色の鳥居をくぐるだけでも、
金運アップしそうな予感ですよ(気のせい)。

 



なぜ「御金神社」へ参拝したかったのか。
金運アップを願いたいのはもちろんですが、
こちらは通貨として使われる金・銀・銅やあらゆる金属類、
鉱物や宝石などの鉱石を護り給わっている神さま。

「ジュエリーを仕事にしたいと決めたなら、
 ご縁をいただきたい神社さんじゃないですか!」

そんなありがたい神社さんにいただいた御朱印、
大切にさせていただきます。





そこから今度は東へ移動し「本能寺」へ。
寺町商店街のアーケードに入って門を見た時、
なぜ「今日」本能寺の宝物館へ行きたかったのか理解!

特別展示で「薬研藤四郎(復元)」を展示していたのでした。
いかん,すっかり忘れていた。
呼ばれていたんですね。


河内刀匠が作られた「薬研」は
粟田口吉光らしいスッとした波紋や美しい地。
男前の短刀をガッツリと眺めさせていただきました。

そして、私的に今日のメインの「安綱」も
あいかわらずカッコイイ南蛮拵と胸熱な切羽でした。

というか、
「これぞ、物作りに関わる人の熱い想いよ!」
という物語をもつ刀なのです。

新しいものが好きな信長は
「洋刀に作りかえろ」と刀工たちに命じます。
当時、洋刀などほとんど見たことがなかったであろうに
彼らは日本刀の刀装をアレンジして作り上げます。
「南蛮から手に入れた洋刀」と言われたら
信じてしまうレベルの仕上がりに、まずここで感動。
すごくカッコイイのです。

そして、
「作りかえろ」といわれた「安綱」は名刀中の名刀。
しかも、洋刀ととして信長が使うには
10数センチも短くする必要があります。
刀を短くする(刷り上げる)ということは
作者の名前(銘)がある部分を切るということ。

これを現代のジュエリーに置き換えたら
「梶光夫を使ってハワイアンジュエリーに作りかえろ」
くらいな感じかな。
刻印も消してエマーユも取っちゃうかも。怖すぎる。

竹屋という研師は
「これが安綱作の名刀だったということを残したい」と
切羽にこっそり彫ります。
目立たない箇所に使う刀装具ですが
信長に気付かれたら殺されても仕方ない行為。
そうまでして、名刀の存在を残したいという想いに
いつ見ても感動してしまいます。

そしてその切羽は、本能寺の変の際に付着したという
信長の血液と髪の毛が一緒に残されている、というのも
運命のいたずらなのかと、また胸が熱くなるのです。


そんな感じで、
物作りの神さまと昔の職人(刀工たち)の想いに触れる
京都うろうろ歩き旅、でした。