血統 | バラのお話

バラのお話

1998年 福島県須賀川市でバラ農園をはじめました。
農家は研究開発型の仕事だと言う信念で
とにかく、毎日を実験しまくっています。
バラの育て方の方法を色々と書いていきます。
もっといい方法があれば、コメントください。
ありがたいです。

パパメイアン 香りの良い 大輪の赤(黒)バラ

 

とても良い品種です。 が 花芽が少ないので 切り花には向きません。

 

 

 

 

バラの講習会をすると

 

「素人でも 簡単に咲かせられる 品種はなんですか?」

 

とか

 

「日陰でも咲く品種はなんですか?」

 

とか 良い品種を教えてくれと 頼まれますが

 

私には わかりません。

 

 

いつも 

 

「私は 育てるの専門で 品種はわかりません。すみません。」

 

と謝っています。

 

 

実際 わからないのです。

 

植えてみて なんとなく バラの状態を見て

 

これが良いかあれが良いかと 悩んで

 

バラに合わせた 育て方をする

 

というのがわたしの仕事なので

 

品種は 苦手です。

 

 

 

趣味で言えば 近所の ダイユーエイト で

 

売れ残って 枯れかけているのを 捨て値で買ってきて

 

丈夫に育てるのが 好きです。

 

 

前職 酵素屋の研究職をしていたときも

 

育てるのが(発酵させるのが) 仕事だったので

 

新しい菌が作られると それに一番あった

 

発酵環境を作るのが 仕事でした。

 

 

いろいろな 研究者と話すと(海外も含む)

 

遺伝(作られた菌)と 環境(発酵条件)

 

どちらが 生産量に 影響すると思う?

 

ということを よく問われましたが

 

 

私は 50:50 と答えると

 

菌をいじっている人たちは とても嫌な顔を

 

したものです。

 

 

 

遺伝子が一番 と思っている人には

 

その遺伝子をうまく引き出すのには、長い時間をかけての

 

適切な環境の発見が必要だということがわからない。

 

 

試験管で いい結果が出たら

 

大きな工場でも おなじになるはず と思いたがるのでした。

 

 

 

どんな 良い菌とされる菌でも 環境が合わなければ

 

良い結果はでません。

(サラブレッドをばんえい競馬で走らすようなものです)

 

 

 

バラも これは良い香りが出るはずなので

 

試してくれと言われて 植えると そんなに香らない。

 

 

と、文句を言われますが

 

うちの農場では そうなんだから あってないのでしょうね

 

というしかありません。

(ハウス一つ 新しく作ってくれると言うのなら別)

 

 

ダマスクも

 

強香 と言われる カザンリク は うちでは 中香 です。

 

 

うちの農場では ヨークアンドランカスター というダマスク

 

のほうが 強香です。

 

 

 

だから

 

私は 一番良い血統の バラ を教えてくれ

 

と言われても

 

 

教えることができません。

 

 

あしからず。