寸法を把握しなければ物は描けません
パースとスケッチの違いはパースには寸法が伴いますといいました。そこを踏まえて考えてみましょう。私たちは絵を描きます。すなわち物を描くと言うことです。物には必ず大きさがあり寸法があります。対象の物に直接寸法が書かれていない限りその大きさは他と比較して理解します。さっぱり大きさのわからない空に浮かぶ雲から飛行機が出てくると雲の大きさに驚くことがあります。比較するものが無ければ漠然としたおおきさにすぎません。私たちは常に他のものと比較しながら大きさを把握しています。パースを描く場合、寸法に見合った大きさで形を描かなければなりません。
大きさが見える表現を考えてみましょう。日常的に見慣れているものは、ある程度概念的に大きさをとらえています。人の高さもその例です。見るだけでおおよその高さをとらえることができます。人が立てば瞬時に対象物の大きさを感じ取ることができます。パースでヒューマンスケールと言う言葉があります。対象物付近に人を描き入れます。単に画面での賑やかしではなく、大きさを把握するためです。逆に物を描く場合、物の大きさを理解していなければ描けないと言うことになり、比較対象も置けないことになります。パースを描く場合必ず寸法が付いてきます。私たちは物の寸法を絵で表現します。絵を見れば大体の大きさがわかるということです。
物を見る視点の位置すなわち視点高についてもう少し説明します。なんの断わりもなければ地面もしくは床に立って見ていることになります。まさか脚立の上から見ていたとはなりません。パースでは目線の高さは1.5mに設定されています。対象をその目線の高さ1.5mから見ることになります。下の図は立方体を描いたものです。それぞれ見え方が違います。すなわち視点の位置の高さが違います。結果描かれた立方体印象はそれぞれ違います。その立方体からおおよその寸法が見えてきます。描かれる絵からは寸法が見えてきます。