わたしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
風景やみんなといっしょに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(宮沢賢治「春と修羅」より)
コンにちは。
銀狐のブログへようこそ~
心に残った本をご紹介しています
今回は先日大阪で開催された画家の井上直久さんの世界展へ行ってきたので、そのことを書きます。
ジブリの映画「耳をすませば」の背景画で知った井上直久さんのイバラードの世界。
私はその世界が大好きなんです
井上さんが暮らす大阪府茨木市の市制施行70周年記念と井上さんの古希祝いを兼ねて行われた記念すべき展示会です。
♡マーク&感嘆符→(!)多めでお届けします(笑)
ポスターですでにワクワクでした(^^♪
会場は阪急うめだギャラリー。
地方都市に住んでいる私は電車を乗り継いで小旅行気分o(^▽^)o
最終日にすべりこみ(笑)
井上直久さんについてはこちらの過去記事をご覧ください。
◆いざ!ゆこう!幻想的なイバラードの世界☆画家・井上直久さんの魅力☆映画「耳をすませば」より
会場の入り口に飾られていたオブジェ↓
イバラードの世界観が満載です。
左手奥の線路上には鉄道模型も!
街をゆくイバラード鉄道。
この鉄道模型は走ります♪
こちらは高速鉄道ジーマ♪
絵本「イバラードの旅」にも登場します。半透明のボディーが特徴。
一瞬で走り抜けます、目を凝らしてご覧ください!(^^)!
平日というのに、人多かったです。
会場には、聞き覚えのある音楽が流れている!
ブログでもご紹介した「イバラード」CD💿です!
ずっとかかっていました。素敵な演出~(^^♪
イバラードのDVDも上映されていたり…。
そしてたくさんの圧巻のイバラード世界の絵画の数々。
ここがイバラードの入り口かしらと思っちゃうほど
その時、間違いなく一番イバラードに近い場所に私はいました
しあわせだったなあ♡
絵をゆっくり鑑賞しながら会場をまわりました。
売約済みの札が貼ってある絵もたくさんありました。
おうちに直筆のイバラードの絵を連れて帰れるって素敵すぎでしょう~!!
会場の一角に本や雑貨が売られていました。
その中の一冊に釘付けに!
これは見たことない!!
発行所 ソルマ・プレス
ちょっと昔の本っぽい雰囲気、と思いつつ、触ってもよいのか売り場の店員さんに尋ねると大丈夫とのこと。
手にとり食い入るように眺めていると(笑)、一人の年配の男性が話しかけてこられました。
手にとり食い入るように眺めていると(笑)、一人の年配の男性が話しかけてこられました。
「それはとても貴重な本ですよ」
どうやら会場の係りの方か、ギャラリーの方のようでした。
そしてとても丁寧に本の説明をしてくださいました。
なんと!
1981年に井上さんが自費出版されたもので、ご自宅に残っていたものだというのです。
在庫は今回会場にあるので最後なのだそうです。
その時二、三十冊はあったでしょうか。
(これは買わねば…☆)と心に決めました。
古本ぽい匂いがしますよと言われ、くんくん香りをかいだり(!?)していると、また別の男性が近づいてこられました。
あら、どこかで見たような。
その方こそ、
「こんにちは、井上です。」
井上直久さんご本人でした!!
写真や皆さんのブログで拝見していた通りの穏やかな紳士でいらっしゃいました。
井上さん、午後からは絵の制作実演もされるとのことで会場をまわられていたようです。
とっても気さくでびっくりしました。
その本のことをいろいろ話してくださいましたよ。
裏表紙
駅前の絵です。
ここを私夢にみました。
当時、本の装丁もとても凝って作ったのですって。
本の背表紙と天(ページの上の部分)をつなぐ間の部分、「はなぎれ」っていうんですか(多分)、そこに赤と黄色の縞模様の布を入れたこととか…。
最近の本ではみない装丁ですね。
昔のハードカバー本、単行本ではみかけました。
…などど、紳士二人は本の話で盛り上がっておられます。
私もそばで嬉しく頷いて。
井上さんは本当に気さくな方で、本のカバーを外して表紙の押印を示し、「これ、ボコッと(凸)してるでしょう。」などど興味深いことを教えてくださいました。
お話も聞きたいですが、ご本人登場にファンとしては夢見心地で話をほとんど覚えていません。
(あらら…)
井上さんは穏やかに爽やかに一礼され、また会場の向こうに去って行かれました
写真もサインも、失礼かもと思いお願いできずでしたね。
本は前半がカラーの作品紹介、中盤は作品解説(これさらに貴重!なんだそうです)、後半に井上さん自身による「イバラード消息」というイバラードの街や人物、事象の解説に続きます。
他にこの日買ったのは大好きな絵本「イバラードの旅」。
以前ブログでご紹介したときは図書館で借りた本でしたから、まだ持っていなかったのです。
架空社
(奥の方に遠景で「駅前」らしき風景が見えますね…。)
会期中、雑貨も売られていたようですが、最終日だったので、ほとんど残っておらず。
こちらの手帳カバーを買いました。
美しいです。
もったいなくて使えません(笑)
額に入れて飾ろうかと思案中。
手帳カバー、裏側。
私はアメブロで知り合いになった緑の小道さんやエメラルドさんのブログで、事前にこの展示会や井上さんの情報を知っていて、午後からの制作実演も絶対見て帰ろうと思っていたので、お昼をはさみ、また会場へと戻りました。
こんなに内容濃いのに入場無料だったんです。
出入り自由~(^^♪
何時間いたんだろう、私(*ノェノ)キャー
隣接して同じフロアで北欧展をしていて楽しめました。
さて、いよいよ午後。
待ちに待った、井上さんの制作実演!!
皆さん、取り囲んで大勢が見守るなか…
わー、井上さんが動いてる!
目の前で絵を描いていらっしゃる!
絵は、昨日までに描いた絵に続けて筆を滑らせます。
アクリル絵の具だそうです。
私の後ろにカップルがいたんですが、男性の方は実演があることを知らなかったようで、
「え!? ええのん、これ?」
ってしきりに驚いてました(笑)
(ええのよ♡)
と私は心の中で返事をしました(笑)
男性:「ヤバイ、すごい!」
(ほんま、すごいよね♡)
驚いたことに、井上さん描きながらずっとしゃべっているんです。
絵はもちろん、エンターティナー性もすごい!
そのお話の内容が深いこと。。。
井上直久さん流
絵が上手くなるコツ
①真似る。まねぶ→学ぶ→真似でもいい。
②似ててもいい。それを否定的に考えない。似ている人とは感じ方、考え方、魂が似ているってこと。
③変でもいい。ユニークってことだから。他にないってことだから。
④繰り返しでもいい。描きたい欲求があるってことだから。
⑤下手でもいい。下手も絵のうち。(洋画家、中川一政の言葉)
巨匠ゴッホもずっと下手といわれていた。
下手でもかきたいものには何かある。
いつの日か、下手でもユニークになると素晴らしい。
なんでもちょっとずつ自分の行きたい方へもっていく。
楽しいことを続ける。あきらめない。
ピッとひらめいたことはやったほうがよい。
ご自身も宮崎駿監督に自分の個展の案内のはがきを出してみようと思って出してみたら、以前から監督や高畑監督が知ってくださっていたのだそうです。その後宮崎駿監督が個展を本当に見にきてくださり、それからのご縁でジブリの映画「耳をすませば」制作に関わる事になったのだそうです。
そんな、宮崎駿監督との出会いも聞けましたよ。
会場の人の質問にも丁寧に答えてくださり、予定時間を大幅オーバー。
さて、とうとう絵の完成でございます。
うっとり。ため息が出ます。
アーチの橋の奥の泉と、手前の滝は最初は描かれてなかったんですよ。
あっという間に澄んだ泉と、流れ落ちる滝が出現しました。
左側に女性らしき人影も見えますね。
会場の一角がアトリエの雰囲気。
井上さんは会場の外へと帰って行かれましたが、その後も皆さん、夢中で写真を撮っていましたよ。
ピンぼけ失礼します…
いい旅でした。
気持ちよく大阪に行かせてくれた家族と、仕事の休みのタイミングがあったことにも感謝しつつ♪
大阪のイバラード展は毎年開催されてるようですし、全国各所でも展示会があるようなので、また機会があったらぜひ行きたいです。
この大阪への一日旅、続きがあります。
いろいろ不思議話もあり、また続編を書けたらいいなと思っています。
今回は長くなりましたので、このへんで。
今日もご訪問いただき、最後まで大変ありがとうございました。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
<おまけのコーナー>
そうそう、これ。
以前に工作好きのうちの子ぎつねが作った色紙のオブジェです。
色紙は100均セリア(笑)
立体に折って表面にニスを塗ってます。
なんとなくイバラードっぽいので写真のっけとこう(^^♪
カードは切り取れます。
めげゾウ、かわいい♡
昔、最初めげゾウ見た時は「なんだろう、このゾウ…。」ってびっくりしたけど。
イバラードの住人です。
カードを切り取ってお部屋に飾るのもいいなあ。。。
イバラードの旅
1,782円
Amazon |