描くことは祈ることである。風景はいわば人間の心の祈りである。…風景は心の鏡である。
「あの白い馬は何を表すのですか。」
とよく人が私に聞きます。私にとってはそこにはやはり必然的な動機があったと思っています。白い馬は今度も私の心の切実な祈りを表していたのです。しかし私はいつも「それは見る人の自由ですよ」と答えていました。
(東山魁夷「白い馬の見える風景」)
コンにちは。
ご訪問、ありがとうございます(*^^*)
今日はお約束の、勝手に「ジブリ祭り」再び!でございます。
(すっかり遅くなって忘れられてないかしら (^_^;))
ご紹介するのは「耳をすませば」に登場したイバラードの世界
行ったことはないのになぜか懐かしい。あの幻想的な風景が大好きなんです。
てことで。
今日も、
やっぱり、
盛りだくさん
『映画「耳をすませば」より
「バロンのくれた物語」の物語
ひとつのシークエンスが完成するまで』
宮崎駿責任編集
スタジオジブリ
主人公「雫」が書いた「バロンのくれた物語」のメイキングブック。イメージボード、絵コンテ、イラスト等でビジュアルに解説されています。
さて、映画「耳をすませば」はほとんどの方がよく知っているジブリ映画だと思いますが、ご存知ない方のために簡単に説明しますと。
もともと雑誌「りぼん」掲載の柊あおいさんの原作の中学生の恋愛を描いた少女漫画です。それを偶然信州の山小屋で、ジブリの宮崎駿監督が手にしたことから生まれた作品です。
映画の監督は近藤喜文氏。(宮崎駿監督のご指名。宮崎駿監督はこの作品ではプロデューサー・脚本・絵コンテ担当)
↓原作のコミック本です。
原作では映画と異なり、主人公「雫」の憧れの聖司君はバイオリン職人をめざすのではなく絵を描いています。聖司君のお兄さんも登場し、雫のお姉さんとの恋模様もあり、映画より恋愛要素が強め♡
そういえば柊あおいさんの「星の瞳のシルエット」(恋愛漫画)も読んだなあ♡
青春回顧 (*´艸`*)
おっと。話を戻します!
まず、宮崎駿監督はなぜ少女漫画である「耳をすませば」の映画化を提案したのか。
「おじさん達がどんなに力を込めて、その脆弱さを指摘し、現実性にとぼしい夢だと論じたてても、この原作にすこやかに、素直に描かれた出会いへの憧れと、純なる思慕の念が、青春の重要な真実であることを否定できないからである」
現実をぶっとばすほどの力のあるすこやかさ
その試みの核を、宮崎駿監督は、柊あおいさんの漫画「耳をすませば」に見出したわけです。
(映画「耳をすませば」パンフレットより)
「同年代の少年や少女たちが、未来をむしろ回避して生きている時(大人になったら、碌なことはないと信じている子供達が多い)、ずっと遠くを見つめて、少年は着実に生きている。われらヒロインが、そんな少年と出会ったらどうするのだろう。そう設問した時、ありきたりの少女漫画が、突然今日性を帯びた作品に変身する原石━━カットし、研磨すれば輝く原石に、変身したのである。少女マンガの世界が持つ、純(ピュア)な部分を大切にしながら、今日豊かに生きることはどういうことかを、問うことも出来るはずである」
(「耳をすませば」 ジブリの教科書9)
さて、映画の素晴らしさはご存知の通り。
今回ご紹介するイバラードはその映画の中で主人公が空想する場面で使われた背景画。幻想的でとっても魅力的。
その作者が画家の井上直久さんです。
井上さんは広告代理店のデザイナーを経て高校の美術教諭をされ、自身の絵の制作を続けられています。イバラードの世界を30年にわたり描き続けておられます。
ところで、皆さん、イバラードってどこのことか知ってますか?
そう、ちゃんともとがあるのです。今回資料をいろいろ調べて、主に次の3点がイバラードの世界の根本だとわかりました。
イバラードとは…。
①宮沢賢治が自らが住む岩手県を「イーハトーブ」と名付けた世界観に、井上さんが影響を受けたことから生まれた。
②井上さんが住む「大阪・茨木の町」を名付けたことによって見えてきた世界。つまり、宮沢賢治→岩手県=イーハトーブ。井上さん→茨木=イバラード。
③井上さんが幼少期を過ごした家、祖父の家など小さい頃の思い出をモチーフにした世界。
今度こんな嬉しい企画がありますよ。イバラードの世界を間近でみられます!
「古希・画業50記念 茨木市制70年 ふしぎな国イバラード 井上直久の世界展」
5月30日(水)~6月4日(月) 会期中無休
阪急梅田本店 9階阪急梅田ギャラリー
お近くの方はぜひ♪
詳しい開館時間などは直接お問い合わせくださいね。
今回、その幻想的な世界をもっと知りたくて、図書館で調べたら本などいっぱい見つかり嬉しい悲鳴(笑) どんどん借りまくり~(笑)
順にご紹介していきます。
なんと、DVDがありました!
ジブリのアニメーションがイバラードの中で動く
映画「耳をすませば」以降初めて、イバラードの世界にアニメとCGの力が加わって、静止していたイバラードの世界に息吹が吹き込まれる…。その風や空気感、ファンにはたまりません。
+.。ヽ(*>∀<*)ノ。.+。キャハッ
特典で井上さんや、CG、音楽担当スタッフのオーディオコメンタリー(音声解説)付きという贅沢さ!
これ、ほんとにオススメ
制作秘話はもちろん、DVDを見てから本を読むと、絵に込められた気持ちや、摩訶不思議で奥深いイバラードの世界を知って意味を深められます。一気に距離感縮まりますよ。
DVDの「イバラード時間」とは違うのですが、こんな動画を発見。絵は全部DVDと同じです。そこにジブリのキャラクター達が入り込んでいます。音楽もDVDのとはちがいます。でもとっても素敵で楽しい
ヾ(@^▽^@)ノ
さて、ここからは本のご紹介↓
微細に書き込まれた絵画の世界。
圧倒的な美しさのイバラード世界に魅了されます。DVDの絵、多数。
DVDに登場する絵がたくさん。
お散歩している気分で楽しめます(^^♪
電車の中が描かれているのが珍しくてお気に入り♡
ラストに出てくる「夜空屋」と「市場屋」からお話の終わりにつなげる感じ、素敵すぎる~ 大好き~
漫画です。個性的な住人達。生態系。独特の世界観で展開。
児童図書。絵本。短い文章に大きな絵。
カブを育てた青年がそのお金で星を買って大切に育てる話。
星は青年が作ったおうちや畑をのせて、やがてすてきに大きく育ちます。
三鷹の森ジブリ美術館の短編映画「星をかった日」(宮崎駿監督)に原作提供されたもの。
縦37㎝×横26.5㎝の大型画集。
開くと大迫力のイバラードの世界が圧倒的なスケールで広がります。
最後はイバラードの世界を舞台にしたお話です。
愛蔵文庫本♡
初めてここを訪れた青年が旅先で出会った人達の話に、絵の作者の井上さんが選んだ絵が添えられています。
「迷路の街で聞いた話」
井上直久
講談社+α文庫
その他、お話あり、画集あり。
↓
イバラード関連の本がこんなにたくさんあったとは。
嬉しい発見でした。興味が湧いたらあなたも、ぜひ
それでは、今日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
(*´∀`)♥
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<おまけのコーナー>
この本もいいですよ。
ジブリの教科書シリーズ。図書館でゲット
はなみんさんが詳しく紹介してくれて知りました。
月島家の団地や地球屋の美術ボードの絵もファンなら必見!
それを眺めるためだけにでも、私は欲しい(笑)
作品の空気感が一瞬で思い出されます。
ほんとにこのシリーズ、全巻欲しい~ ヘ(゚∀゚*)ノ
ああ幸せ
この「勝手にジブリ祭り」、私が一番楽しんでるかもです (*´艸`*)
久しぶりに図書館はしごして資料集め、楽しかったなあ♡
(^-^)ノ~~
本のご紹介はいつも通りさせていただきましたが、…このたび、高畑勲監督の訃報に大変寂しく悲しい気持ちでした。
ご冥福を心よりお祈りいたします。
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