尊敬とは、その人が唯一無二の存在である事を知る能力の事。
byエーリッヒ・フロム
尊敬とは、その人がその人らしく成長発展していけるよう気づかう事。
目の前の他者を変えようと操作もしない。何かの条件をつけるのではなく
【ありのままのその人】を認める。
これに勝る尊敬は、ありません。
青年
違う!そんなもの、私が知っている尊敬ではない。尊敬ってのはね、自分もそうありたいと請い願う様な、憧れに似た感情の事を指すのですよ!私も、そぅ思ってました!(笑)
哲人
いいえ、それは尊敬ではなく、恐怖であり、従属であり、信仰です。相手の事を何も見ておらずら権力や権威に怯え虚像を崇めているだけの姿です。
リスペクトの語源となるラテン語には見るという意味があります。
まずは、ありのままのその人を見るのです。
(中略)
自分の価値観を押し付けようとせず【その人がその人であること】に価値を置く。
他者を操作しようとする態度、矯正しようとする態度にはいっさいの尊敬がありません。
青年
ありのままを認めれば、あの問題児たちが変わりますか?
哲人それは、あなたにコントロールできる事では、ありません。変わるのかもしれないし変わらないかもしれない。しかし、あなたの尊敬によって生徒たちの一人ひとりが【自分が自分であること】を受け入れ自立に向けた勇気を取り戻すことになる。これは間違いないでしょう。
取り戻した勇気を使うか使わないかは生徒たち次第です。
中略
水辺まで連れて行くことは出来ても水を飲ませる事は出来ません。あなたが、どんなに優れた教育者であろうと彼らが変化する保証は、どこにもない。しかし保証が無いからこそ、無条件の尊敬なのです。
幸せになる勇気より43ページ