夜勤では2時間仮眠をとる
通常は休憩室に仮設ベッドをおいて
しかし、空があれば
患者の個室で
何故なら心地よいから
そして今回は
トイレ付の個室に空きがあり
そこで仮眠をすることに
ベッドに入り目をつむると
トイレから
「チョロチョロチョロ〜」と
ウォシュレットの音が
そしてその後に
「ブォーーン」と乾燥の音が
繰り返し聞こえてくるのです
ん
誰かいるのか
昔、夜勤中に
認知症の患者さんが
空き個室のトイレに
入っていたことがあったが
まさかねと思いながら
トイレを見に行くと
勿論、無人
ベッドに戻り
目をつむると
また
「チョロチョロチョロ〜」
「ブオーン」と繰り返し
しばらくすると
「ジャー」と水を流す音が聞こえた
仮眠中
うつらうつらしながら
ずっとトイレの音が聞こえていた
仮眠から戻りこの話を
「便秘で苦労してる患者さん多いから
きっと過去に亡くなった患者さんが
トイレに座って頑張ってるのよ」
とお面白おかしく言うと
一人は
「えー怖いんですけどー
私無理〜
」とその部屋で仮眠できず
一人は
「病院だからそんなことは
あるあるやろっ」と幽霊説を肯定
私は霊感もなければ
いるならば一度見てみたいと思ってるので
「いやいやただの機械の故障でしょ」
と笑ったのだが
結構病院は出るらしい
しかし私は出会ったことがなく
幽霊よりも
感情の抑えが効かなくなった
患者さんの方がよっぽど怖い
以前ベッド柵を投げつけ
点滴スタンドを振り回した
認知症のおじいがいたが
まことにビビった
そんなのに比べりゃ
トイレに座ってる幽霊
どうぞどうぞ
好きにお使い下さい
ってなもんですよ
それに死んでる人が出てくる状況よりも
巡視で患者の転倒や
患者の急変を発見する方が
よっぽど恐怖
