肝心な電気けいれん療法の効果ですが、
これはもう本当に人それぞれなんだそう。
妄想や焦燥の症状が強いタイプの患者には
特に効果的と言われているとのこと。

母も電気をかけたその日はとにかく意欲的で
食欲を始め、誰かとおしゃべりすることにも
すごく前向きで。
何回目から効果が出てきた!というよりは、
かける度に急に元気が出るという感じで、
数年ぶりに母のはつらつとした姿を見ることができました。

一番の課題だった内的な焦燥感(じりじり)も
だいぶ改善が見られて、特に他覚的には
とても良くなったように見えました。

でも問題はその効果がいつまで保てるかということ。
そして、最終的には母が良くなったことを自覚できることが
とてもとても大切だと思います。

というのも、母の中にはいつまでも
完全ではないという不安があったのと、
12回の施術が終わった後にも
完全には治らなかったという落胆があったのです。

主治医からも、やはり本人が良くなったと思えない時点で、
電気けいれん療法の完全な成功とは言えないと聞きました。
その時は本当にがっくりしましたえーん

患者さんによっては、
誰がどう見ても、見るからに180度よく良くなるケースもあるのだそうで、
残念ながら母はそこまで届かなかったわけです。

これを失敗ととるか、
それともやれて良かったと思えるか。

今の母は後者です。
ここまでトライできたから気持ちが割り切れたのもあると言います。
貴重な体験をしたなーとも言います。

今、家族から見ても、
やらない方が良かった、と思う点はありません。
電気の効果は長くは持たなかったかもしれないけれど、
母にとって、何年かぶりにあんなに元気な姿でいられたことは、
たった数日のことでも、
今につながるすごく大切なきっかけになったのではないかと思います。

何年もの間、病気に侵されて、
本来の自分を体ごと忘れてしまっていた状態から
ある意味目覚ましで引き戻されたような
そんな感覚かもしれません。

これは今、母が上向きに進んでいるから言えることなのかもしれないけど、
全てはつながっている気がするのです。
結局は母自身が、健康な母を思い出せることができたのは
電気けいれん療法が契機になってる気がするから。

あとは、
これを機に、ベンジアゼビン系の薬が断薬できたのも
1つとても嬉しい出来事でした。

ちなみに、コストは一回1万円くらい。
私たちの体験が、今迷われてる方へ
何かしら参考になれば嬉しいです。