妙なタイトルですが、関連させてますので、ご了承のほどを

 

まず、ハリルホジッチの解任について。

 

監督の解任は、政治や金銭等のアクシデント系統を除けば、以下2つの理由に限られる、と思う筆者です。

 

①監督が、選手からの信頼を失っていること。
②この監督のもとで試合を重ねても、チームが成長しないこと。

 

①は、田島会長が解任の第一理由として説明していますが、実際のところはよくわかりません。確かに、選手がマスメディアに、現在のサッカーのことを語り、ハリルホジッチがそれに釘を刺すという、「ギクシャク」感はありましたが、選手は監督を批判しているのではない。結果が出ない状況だから、関係良好であるはずもないですが、解任するまでの理由だったろうか、と思う筆者です。

 

ただ、②については筆者が、また多くのサッカーファンも感じているところでは。

 

ハリルホジッチのハイプレス・速攻のサッカーは、一対一のプレッシングがベース。マンツーマンと言ってもいいような戦術構成でした。
しかし、その戦術で、殆ど有効的にボールを奪えなかったのがアジア最終予選、マリ戦、ウクライナ戦。

 

普通の監督だったら、この状況とこの時期を見て、戦術変更を探るでしょう。しかし、ハリルホジッチは、頑としてサッカーを変えないタイプの指導者であることは、ウクライナ戦後のコメントで見て取れました。
このままでW杯本選を迎えても、マリ戦、ウクライナ戦の繰り返し再生を見せられるだけだと、筆者は感じましたし、協会強化陣もそう感じたのでしょう。

 

ハリルホジッチのマンツーマンサッカー。攻撃に人数を掛ける現在のサッカーにおいては、それも一つの方法かもしれない、と筆者も思っていましたが、
その認識を変えさせられのが、バイエルンミュンヘンのサッカー (ここでようやくタイトルとつながります (苦笑))


筆者が観戦したのはドルトムント戦。バイエルンが6得点で圧勝したあの試合です。

バイエルンのサッカーは、徹底した「2対1」の構図を作る。守備中心のサッカー。
選手個々は、ホルダーに激しくアプローチするのですが、そこでは奪わないし、奪えない。ましてや相手は強豪のドルトムント。うかつに距離をつめて、突破されることに常に注意を払いながらのプレッシングでした。
ボールの奪いところは、殆どがサンド、プレスバック。
あの名手のフランク・リベリーでさえ、SHの位置から猛然と後方に戻って、プレスバックでボールを奪っていました。

 

 

その光景は、衝撃的でした。
あのバイエルンでさえ、2対1、数的有利を作るサッカーに徹している…。
そのサッカーに畏敬の念を覚えるとともに、ハリルホジッチのサッカーの限界を確信した筆者でした。


今後の日本サッカーは、日本代表は、どうなっていくのか。
注意を払わなければならないのは、ハリルホジッチのサッカーは、マンツーマンという設計漏れはあったとはいえ、「デュエル」という現代サッカーの必須項目には忠実だったことと思う筆者です。
結果が出なかったから、ハリルホジッチのサッカー全てを否定することは、日本サッカーのガラパゴス化を促進するだけでしょう。

 

今回の解任劇の、唯一の難しさは、そこにあります。
大抵において監督を解任することは、その監督のサッカー・戦術を否定することにつながります。特にメディアがその方向に走ってしまいます。
だからこそ、田島会長は、解任の理由に、「監督が、選手からの信頼を失っていること。」つまり、ハリルホジッチ個人の問題として片づけたかったのか、とも思う筆者です。

 

西野氏は、誰が見ても、暫定監督でしょう。
その後任監督は、ハリルホジッチ、ならびに現代サッカーの潮流に忠実な監督であるべきで、
日本サッカーの育成強化方針も、一刻も早くそれにシフトしていかねば、先がなくなる、と大きな危機感を覚える筆者です。