■デュッセルドルフ
現在2部リーグの首位。この試合は開始早々に先制したこともあるのでしょうが、非常に手堅いゲーム運び。攻撃はボランチを起点に、シンプルに確実にボールを前に運んで、主にクロスでフィニッシュに持ち込みます。それほど人数をかけません。
重点が置かれているのは守備。中盤で固い守備ブロックを組み、相手のパスコースを防いだところから、最終ラインで仕留める形。クラシックであり、全体的にスピードがないのがやや気になりますが、この戦術で昇格しても、ある程度の戦績を残せるのではないかと思います。

 

原口元気:ヘルタ・ベルリンの戦術も非常に堅実で、デュッセルドルフのそれとよく似ている。だから彼も、移籍したばかりにも関わらず、殆ど戸惑わずにプレ-できています。
与えられたポジションも左SHで同じ。攻撃的なポジションながら、良く守備で貢献しています。懸命に足を伸ばしてホルダ-の自由を突き、隙あらば奪う姿勢を保ち続けています。
攻撃面では、SHの位置から大きく斜めに動き、ボールを呼び込み、決定的なシーンに絡んでいきます。長いスプリントを繰り返していける彼の長所がよく生かされています。また、このようなダイナミックなプレーだけでなく、遅攻では確実に受けて捌く能力も持っています。
総じて非常によい。いい転職先を見つけたな、という感がします。

 

宇佐美貴史:その原口が頭同士の競り合いで脳震盪を起し、途中出場。改めて述べるまでもないですが、彼と原口の持ち味は全く違うところにあるのに、原口と同じ役割を求められている。
突破力・創造力なら、今でも宇佐美は原口より上でしょう。しかし、ロングスプリントの繰り返し、球際の激しさ、攻守の判断では、かなり大きな差があります。これでは使われないのも当然でしょうし、彼のこのプレースタイルが変わらない限り、ブンデスでは厳しいのかなと。新天地を求めていくべきでしょう。

 

アンドレ・ホフマン:デュッセルドルフの堅守を支えるCB。現在24歳のCB。非常に判断が速く正確で、空中戦にも強い。開始1分で先制のヘディングシュート・ゴールを奪ったように、90分を波無くフルパワーで戦う強さも持っています。
クラブとしては絶対手放したくない逸材でしょうが、今年の夏にはどうなることか。強豪クラブも既に食指を伸ばしていることでしょう。

 

カーン・アイハン:トルコ代表の23歳CB。この選手も非常に判断が速く、また身体能力もある。地上戦に非常に強いタイプ。試合終盤、訳の分からないようなプレーでハンド・PKを与えたように、プレーに波はあるのですが。

 

マルセル・ゾボトカ:印象に残ったドイツ人アンカー。典型的な「潰し屋」で、相手のカウンターの芽をことごとく潰していきます。プレーぶりも良い意味で非常にダーティ。被カウンターのシーンで、相手の袖を露骨に引っ張ったファールでゲームが止まった際、彼はボールを両手で抱え込んでしまい、ゲームを遅らせました。最初のプレーで充分イエローなのだから、遅延行為という「余罪」をしたところで、何の影響もない、という計算のもとのプレーでしょう。