3本目は、「AI Nikkor ED 180mm F2.8S」
特殊低分散(ED)ガラスを採用した望遠レンズ
ED レンズは、ニコンが世界に先駆けて開発した、
プリズムの色分解作用を少なくする特殊低分散ガラスを使用したレンズ。
一枚目(一番先頭の凸レンズ)にEDガラスを用いているが、
EDガラスは柔らかいのでキズが付きやすく、保護フィルターは必須。
レンズ断面図:典型的なテレフォトタイプ
レンズ構成:5群5枚
絞り羽根:9枚
最短撮影距離:1.8m
質量:800g
最大径×長さ:78.5×130mm
フィルターサイズ:72mm(P=0.75)
望遠でF2.8と明るいレンズなので、
当時の舞台撮影のカメラマンがまず買った(買わされた)レンズだそうです。
1981年(昭和56)に発売開始され、2005年まで発売。
(「ニッコール千夜一夜物語」第四十八夜 Nikkor-Q Auto 200mm F4から借用)
オリオン座:解放から一段絞り込んだ画像
コマ収差や色収差が光源のまわりのフレアは目立たない。
周辺での画質の低下がほとんどわからないほど、極めて均質でシャープな画像を結ぶ。
(ピクセル等倍:中心部をトリミング:被写体まで10m)
Nikon Df(デジタル一眼)
AI Nikkor ED 180mm F2.8S
f8 :1/1000秒
WB:オート
ピクチャーコントロール:SD
ISO:320
*
色のぬけが素晴らしい。
でもパソコンのモニターではグラデーションは判りません。
やはりA4~A3ノビくらいにプリントして見ると、
なだらかな諧調がよく判ります。
ふんわり、柔らかい調子です。
好きなレンズなので、今でもデジタル一眼に付けてたまに撮ります。
20数年前、デジタル一眼レフが登場しました。
しかし、一眼レフのフィルム・カメラからデジタル・カメラに移行する際、
他のメーカーはそのレンズ・マウントを変えざるを得ませんでした。
つまり、フィルム時代のレンズは使えなくなりました。
でもニコンは従来からマウントを大きく取っていたこともあり、
技術的な面からもフィルム時代のレンズをそのまま使えるカメラを提供しました。
メーカーはユーザーを思い、ユーザーはメーカーを信頼しました。
ですから私は何十年もニコンのファン。
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カメラ&レンズのこと(49):ニッコール・オールド望遠レンズ5本:其の4
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