『そろそろ卒業してみては?』

リハビリの終了の理由やタイミングは

一人ひとり違います。







1年半くらい前から

リハビリ終了

(私の元に通ってこなくなる)

私から打診している子がいました。




数年前から関わり始め、

多い時には、1週間に数回。

その後もほぼ毎週、

私の元に通ってきてくれていました。




不安が強く

人と関わりたいのに

『怖い!』が沢山、出てきてしまい

なかなか関わることが

できない子でした。



少しずつ、

少しずつ、

お出かけしてみたり、

習い事に行ってみたり、

何年もかけて

小さなことに

沢山チャレンジしてきました。



放課後デイサービスも、

フリースクールも、

習い事も、

チャレンジはしてみますが

何度か通うと

調子が悪くなり行けなくなる。


そんな事を繰り返していましたが、

ある日、ピタッとハマる

習い事に出会いました。



不思議なことに

その習い事には

大変な事があっても諦めず

通い続けました。


本人のセンスの良さもあってか

メキメキと上達し、

新しいお友達が沢山できました。



その頃から

明らかに健康そうな表情

生き生きとした姿が見られていたので


私の元に来る頻度を

減らすように提案してみましたが




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絶対!!いやだ!



と、本人が頑なに拒否。




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先生が居ないと

僕は色々と上手くできない


と、言っていました。





私と出会った頃、


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僕の心は壊れちゃったんだ

と、発言した彼。



彼が生きてきた数年間で

初めて味わった

一番どん底の時期に出会い、

居場所を提供した私。



そりゃ、

離れるのが怖くなりますよね。



ですが、

ご家族と、本人が

自分自身の人生を

自分自身の足で歩んでいくのを

サポートするのが私のお仕事。


この数年間だって、

私は『いつでも来ていいよ』と

扉を開け続けただけで、

実際に習い事を探して

頑張って動き続けたのは

ご家族と本人。



私は只々見守っていただけ。



だから大丈夫だよ。

離れても歩けるよ。



私も覚悟を決め、

本人と相談しながら

私の元に来る頻度を減らしつつも、

彼自身が『大丈夫』と感じるまで

待ち続けました。




そうして1年半。




その日は突然訪れたのです。



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寂しいけど、
僕、みゆき先生のところ
卒業する。

本人がポツリと

お母さんに伝えたとのことでした。




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だって、僕は元気になったから。

だけど、
僕よりもっと
大変な子たちがいるから
その子たちに時間を(先生の枠を)
あげようと思う。


そんな事を考えていたなんて

びっくりすると同時に

彼の成長が嬉しくもありました。







そうして迎えた卒業当日。




1週間前に日程が決まったにも関わらず


その子と、

お父さん、

お母さん、

おじいちゃん、

おばあちゃん、


まさかの

ご家族全員が

仕事等の日程を調整して

私に会いに来てくださいました。


最後もワイワイと思いっきり遊び、

お別れをしました。


帰り際に、

ご家族全員が書いてくださった

お手紙もいただきました。



『困った事があったら

 いつでも連絡してね』

と、伝えてはありますし、

何かあればまた相談には乗りますが、

きっともう連絡は無いだろうなと思います。

(大体みんなそう)



自分から望んで

自分から促して

私の元から離れてもらったのに

やっぱり寂しくて

泣いてしまいますね。



彼が居場所を見つけて

そこで笑顔で頑張ることができる。


私の目標でもあり、

とっても嬉しいけれど、

一緒に遊べないのは寂しいなぁ。



19年間、

この仕事をしてきて、

彼と彼のご家族と向き合った時間は、

正直楽しいことばかりでもなくて、

どちらかといえば

頭を悩ませることの方が多くて、

私自身も逃げずに関わり続けるために

何度も私自身の内観が必要な子でした。



だからこそ、

特別な寂しさと、

感謝の気持ちが溢れてきます。



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◯◯の人生に関わってくださり
ありがとうございます。


彼のおばあちゃんが、

そうおっしゃってくださり、

涙が溢れました。





家族全員が悩み、もがき、ぶつかり合い、

そして進んでいく。


そこに関わらせていただけたこと、

本当に有難いなぁと感じます。



『正解って何?』

『普通って何?』

『ダメってどういうこと?』


様々なジャッジのあるこの社会の中で

私自身も彼らと同様、

悩み、もがき、道を探っています。


私に何ができる?

ああ、何もできない。

できるのは

じっと信じて願って見守ることだけ。


でもそれで良いんだろうか?


こんなふうに日々揺れながら

私自身も彼らと関わっているのです。



来週には、

また新たな出会いが待っています。


私自身もまた、日々揺れながら

彼らと歩いて行こうと思います。