さて今年のプロ野球は連日FAの話題で持ち切り。

丸は巨人に行ってしまうんですかねぇ?

大丈夫!カープには野間がいる。隙あれば野間がいる!振り返れば野間がいる!

 

私の今年の鯉活は宮崎キャンプ、沖縄キャンプ、神宮、ズムスタ、甲子園、東京ドーム、福岡ドームと例年より控えめ。

試合も沖縄での練習試合含め11試合と例年の半分くらいになってしまいました。

とにかくスケジュールが合わなかった!

あと何気にチケットキャンプが無くなったのもゴニョゴニョ…

両国大会が10月にずれてなかったらもっと行けてないかと思うとゾッとするな。

あ、由宇にも行けなかった!

来年はもっと頑張らないと。

 

しかしその試合数の少なさを全て吹っ飛ばすくらい素晴らしい出来事がありました。

 

私がカープを更に更に好きになった理由の一つに、広島の球場の雰囲気があります。

ズムスタに行くととにかく家族連れが多い!

ちょっとやんちゃっぽい感じの旦那さんに木下優樹菜さんみたいな奥様、可愛いらしいお子さん。

手を取り合ってスタンドの階段を昇り降りする老夫婦。

二家族、三家族が仲良く食事を取り分ける姿。

はたまた学校帰りに女子中学生三人組がカープ帽被って並んで座り、メガホン叩きながら松山の応援歌を歌ったりするんですよ!

神宮やハマスタとは全然違うんですね、雰囲気が。当たり前だけど。

 

ある時見たのは50代くらいの素敵なお父さん、お母さんに20代後半くらいの娘さん二人。

お父さんと娘さんが一杯のカープうどんを交互に食べてて、本当に仲の良いご家族なんだなぁと!

そこにどちらかの彼氏っぽい男性が来てみんなに挨拶してから一緒に観戦していたんですよね。

お父さんとちょっと微妙な距離感保ちつつでも仲良く。

点が入れば一緒に喜んで三振すれば一緒にため息ついて。

 

それを見た時羨ましかったし本当に良いチームだなぁと思いました。

私は家族で仲良く野球観戦した記憶はあまりなく、父親と二人で行く事が多かったので。

まぁ今は今でプロレス関係者やカープファン仲間の方々と一緒に行く事が多くめっちゃ楽しいですよ!

ひ、ひ、ひ一人でも満喫出来るタイプです…し!

 

そしてそんな私の今年ラスト観戦は日本シリーズ。

セ・リーグのチームはビジターで勝てないと言われ続ける中行って来ましたよ、福岡まで。



まずは10月31日、会社を早退後福岡まで飛びカープ仲間と現地で合流したものの良いとこ無く完敗。



ため息ばかりの試合ではあったのですが…

一緒に行った友人が隣に一人で来ていた初老のご婦人と仲良くなってまして。

私は途中で相槌打つかポソっと一言話す程度だったのですが、帰りに聞くと翌日は立ち見席での観戦との事。

友人は翌日は観戦出来ず、チケットは一枚余っていたので折角ならとそのご婦人と観戦する事になったんですよ!

コミュ障の私が。

ご婦人はチケット代を払うと言って下さったのですが、「ビール一杯奢ってくれれば良いですよ」とチケットを渡しその日は別れたのです。

 

翌日…

とりあえずビール片手に席にむかうと既にご婦人の姿。

まずは差しさわりの無い会話から。

「よく球場には行かれるんですか?」

『家はズムスタのすぐ近くなのよ!』

ぎこちない会話ではありましたが意外にもそこから会話は弾みすっかり仲良しに。

一緒に応援歌を歌い点が入ればハイタッチと大盛り上がり。

更にはシリーズずっと不調だった丸に逆転2ランが飛び出し応援が最高潮に!

試合も取って取られての大熱戦で4対4のまま延長戦へ突入。

 

ところがご婦人はホテルが球場と駅の間くらいらしくバスが何時まであるか分からないので帰るとの事。

『私の分まで応援してね!』

「うん、ありがとう!気を付けて!日米野球も晴れるといいねぇ」

『ほんとだねぇ。じゃまたどこかで!』

「そうね、色々ありがとうねお母さん!ご馳走様でした!」

 

一瞬連絡先を交換すればまた来年広島でチケット余った時とか一緒に観戦出来るかなぁ?とも思ったのですが。

まぁきっとまた観戦行けばどこかで会えるだろうと。

しかし楽しかったなぁ。お母さんいなかったら一人だったしここまで楽しめなかっただろうなぁ。

優しいお母さんだったなぁ…

ん?お母さん…

その瞬間色々な事が次々頭をよぎりました。

 

『私ね、カープに救われたのよ。ずっと前にガンになったの。でも治療しながら子供に勧められてカープの応援してたら本当に元気になって!』

「そうなんだ!良かったねぇ。僕の母親はガンで亡くなっちゃって。2歳のころかな?だから母親の記憶が一切無いんだよね。確か乳ガンだったかな」

『あら!私も乳ガンだったのよ!』

 

『何で広島が地元じゃないのにカープファンなの?』

「実はかくかくしかじがでずっと野村克也さんが監督するチームを応援してたんだけどね、監督辞めちゃって。色々なチームの試合観に行ってたんだけどたまたま広島出身の方にカープの応援は熱いよ!って誘われたのがきっかけで…」

そう、当時58勝84敗とかでずっとBクラスだったカープの応援の熱気が凄まじく、そこですっかりハマったのです。

「その方が広島の〇〇高校の出身で~」

『あら!私の子供も二人とも〇〇高校よ!』

「お子さんおいくつなんですか?」

『47歳と44歳!』

「えー!お母さん若いねぇ!お子さん僕の少し上くらいなんだ!」

 

思えば常にお酒のお代わりを気にかけてくれて、持って来た枝豆一緒に食べて。

回が進んだらおにぎりくれてまたしばらくしたら紅葉まんじゅうも出してくれて。

『何でフランソワ出さないのかしらね?』

『ここはバントの方が良いんじゃないの?』

『丸は残ってくれるかしらねぇ』

とか色々聞いて、僕の拙い解説にウンウンと頷いていちいち感心してくれて。

一緒に笑って一緒にため息ついて宮島さん歌ってバンザイして…

偶然に重なる偶然、これは会うべくして会った奇跡なんじゃないかと。

そう、まるで母親と一緒に観戦している気分だった事に気が付いたんです。

僕もズムスタで見た光景の様に家族と楽しく野球観戦したかった。

家族や親戚やその周りの人と楽しく野球を観たかった。

そんな絶対に叶うはずのない夢をカープが取り持つ不思議な縁で叶えてくれたのです!

 

これはお母さんを追いかけてもう一回お礼言って連絡先を聞こう。

またお母さんと一緒に観戦したい!

延長戦は10回裏に入る所でした。

ピッチャーは中崎、ここは抑えてくれるだろう。

よし、お母さんを追いかけよう!

そう思った瞬間野球の神様からの贈り物が!

 

柳田のサヨナラホームラン…涙

 

きっとお母さんは来年も元気にズムスタに足を運ぶのでしょう。

私も何回かは行くと思います。

また奇跡が起きればまた会える。

次に会ったらレフェリーやってる事も話していつか試合を観に来て欲しい。

母親の代わりに。

 

人生は何が起こるか分かりません。

そして道を選ぶ場合、どっちに進んでも後悔する事はあると思います。

だから自分で選んだ道を信じて進んで欲しい。

自分や家族の事を一番に考えて道を選んで欲しい。

でも結局は丸行かないで…