昨日は北沢タウンホールでDNAでした。
高木さんが数年前からやりたいと言っていた若手プロジェクトの船出。
正直蓋を開けてみるまでどんなものになるか全く分かりませんでしたが、メインの大歓声と終了後のなかなか鳴り止まなかった拍手が全てを物語っていたのではないでしょうか?
昨日デビューした四人も勿論ですが、厳しい練習生期間を乗り越えた若者達。
いつデビュー出来るのか、そもそも必ずデビュー出来ると言う保証もないままに練習と雑用に明け暮れた日々。
その積み重ねでようやく踏み出せた一歩、花道に立った瞬間やリングから見えた光景は彼らの目にどう映ったのでしょうか。
第一試合でデビューした岩崎。
彼の入場曲は矢沢永吉さんの『Wonderful Life』でした。
先日のハードヒット札幌大会で引退された彼の師匠、山本喧一さんが使っていた入場曲です。
岩崎に使う事を許して下った山本さんの優しさには本当に感謝する事しか出来ません。
そして彼のレガースに刻まれた『Power of dream』の文字。
北海道から単身上京した来た岩崎にとって汗や涙を流した地元のジム、師匠や先輩方は大きな心の支えになった事でしょう。
コスチューム同様、まだ真っ白の岩崎のプロレス人生が素敵な色に染まる事を願うばかりです。
梅田は高校生のうちに入門テストを受けに来ました。
まだ幼さが残るその表情は本当に子供みたいで、大丈夫かよ?と思っていました。
高校卒業と同時に上京してエビスコで働きながら続けた練習生期間が彼を大きく成長させたのでしょう。
リングで年齢も体格もかなり上になる樋口と対峙した堂々たる態度。
もうあの時の梅田はいませんでした。
甘いマスクとキレのあるキック、飛び技はなかなか人気が出そうな気がします。
樋口は元力士な上に年齢も25歳と言うことで初めて会った時から風格がありました。
勝手なイメージで力士出身の彼はウチの入門テストは厳しいんじゃないかと思っていましたが、むしろ目を引いたのはパワーよりも瞬発力や柔軟性でした。
やはり角界で揉まれた樋口は礼儀も仕事も気配りも他の練習生を圧倒していましたし、どんな仕事を頼んでも嫌な顔一つせず必ず僕の思った以上の仕事をしてくれました。
フィジカルが凄いとは聞いていたけどあんなに出来るとは思わなかった(笑)
ドロップキックは僕が幼い頃に見てきたジャンボ鶴田さんを彷彿とさせるそれで、レフェリーしながら思わずゾクっとしました。
末恐ろしいとはこの事だと。
中津は入門テストの時から何でも淡々とこなす感じで頭が良い印象ですかね。
ドロップキックで朝まで飲んだ後にリング設営に来ても、全て終わるまでは少しも弱音を吐かずにやり切る男です。
リング設営が終わった途端にトイレに駆け込んで吐いてましたが…
根性も座ってる。
先にユニオンでデビューし、ガンプロや他団体にも参戦し経験は一番だった河村から勝利。
まさかと言ったら中津に失礼かもしれませんが、腕十字が極まった瞬間は思わず声が出ました。
あれはこの先も大きな武器になる地下格闘技で培ったここぞの勝負勘というか、キワの攻防の強さなんだと思います。
全5試合、昨日の大会は成功だったと言って良いのではないかと思います。
それに驕る事なくまた日々の努力を重ねていって欲しい。
デビューに漕ぎ着けるまでの期間と言うのは本当に辛かった事でしょう。
汗や血や涙を沢山流し、次から次へ仕事を頼まれ、理不尽に怒られ…
でもこれからの方がもっと辛いかもしれない。
良いものを見せれば次はもっと良いものを見せなくてはいけない。
思い通りにいかない時も出て来るでしょう。
DDTのプロジェクトという事で上がっているハードルもあります。
それでもそれら全てを乗り越え夢を掴み、全ての人への感謝を忘れず、ファンの皆様に沢山の素敵な夢を見せて欲しい。
一度は人生の全てを諦めかけた僕でしたが、プロレス界に入った事で本当に多くの幸せを味わう事が出来ました。
その幸せを僕よりも断然若い彼らにはその何倍もの幸せを味わって欲しいと思います。
まだ始まったばかりの彼らの航海。
これから荒波に揉まれ強風に煽られ豪雨に打たれ、楽な事ばかりではない事でしょう。
それでもきっとこの先長く続くであろう彼らの旅が素晴らしい物になる事を願ってやまないのです。
まぁ要するに彼らがお客様を沢山呼べる人気者になって僕の給料が上がれば良いなって話です!
きそぺろ☆
