さてさて、京都遠征の行き。


夜中に事務所に集合し、雨が降る中バスは出発。

自分と平田さんは点呼係なので前の方に並んで座る。

いつも通りの馬鹿話で盛り上がりつつバスは進む。


深夜2時過ぎに最初の休憩を済ませ、出発すると次第に眠りにつく人が増え始める。

自分と平田さんも、「そろそろ寝ますか?」『でもようやく眠りにつく頃に休憩で起こされるんですよね』なんて冗談を言いながら就寝。


四時過ぎ、予想通りウトウトしかけた所で休憩。

トイレを済ませ出発。

今度はさすがにすぐ眠りにつく。


気が付くとバスがまた止まっている。

「なんだよ、また休憩かよ」

時計を見ると4時20分…

あれ?20分しか走っていない。

しかも横を車がドンドン通過、路肩に停車中!


なんでもワイヤーが切れたとかで故障発生!

運転手さん二人があれこれやってようやく走り出すも、自転車より遅い。

エッチラオッチラと一時間かけ、なんとか数キロ先の牧の原SAへ。

運転手さんが修理を試みるもどうやら無理。

他のバス会社に電話をかけるが、時間が時間だけに埒が開かず。


ここから高木さん、松井さん、ノブさんでDDT首脳会談。

自分は高木さんの指示で近辺のタクシー会社に片っ端から電話。

早朝が故に苦戦するものの、なんとか全員が乗れるだけの台数を確保。

急いで掛川駅へ向かう。


大家さんと機材スタッフの方は現場に残り、別ルートでレンタカー屋へ。

そこでトラックを借り再び牧の原SAまで戻り、売店グッズや機材を積み京都へ。

まぁあれですよ。

天井が抜けて氷の塊が落ちてきたのを月光を担いで受け止め、桃太郎だけ次の闘いに行かせた虎丸みたいなもんですよ。

「さぁ行け、桃。もう決して後ろを振り返るんじゃねーぞ」

みたいな。


本隊は何とか8時32分発のこだまに間に合い、京都入り。

しかしトラブルは続くもので自分はトイレに切符を落としたらしく紛失。

MIKAMIさんは急いで下車した為、携帯を新幹線に忘れる…

まぁそんなんで時間をロスしつつ、京都駅からタクシーでようやくKBSホールへ。

予定より一時間強の遅れで会場入り。


しかし!リング屋さんや会場のスタッフの方が準備を着々と進めて下さっていた!

感謝!感激!

我々も大急ぎで準備に加わり、何とか完了!


またまたしかし!

さすがに大家さんが間に合わない!

残酷にも時は流れ、開場時間。

まさかの売店無しでの開場。

入り口には大家さんが遅れている旨が書かれた張り紙と、お客さんに事情を説明し頭を下げる高梨さん。

続々とお客さんが来場する中、見かねた高木さんが売店へ。

お客さんに事情を説明し盛り上げると共にポスターの即売会。

そして高梨さんに大家さんへの電話を命じる。


大家さんは運転中で電話には出れず、今成さんが対応。

「今どのあたりですか?…。え?あと800メートル?」

あと800メートルの声に湧き上がるお客さん!

高木さんも「あと少しで大家健が到着します!」と盛り上げる。

またまたまたしかし!

待てど暮らせど大家さんが到着せず。

800メートル手前まで来ていたのでは?

たまらず高梨さんが再度電話。

「大丈夫ですか?今どこですか?…。あ?あと0.8キロ?」

あと0.8キロ…。

あと800メートル…。

さっきと変わってねーじゃん!

まさかのKBS通過(笑)


結局大家さんは試合開始10分前に到着。

大急ぎで荷物を降ろし、売店やら何やら準備!

なんとか試合開始出来たのでした。


しかしあの緊急事態でのDDT首脳部の臨機応変は凄かった!

あれがもう少しでも遅れていたら試合開始は大幅に遅れていたし、最悪京都まで着かなかったかも。


でもね、そんな中松井さんは何回も言ってました。

「面白くなってきたぞ~」

さすが踏んだ場数、修羅場の数が違う!


なんとか大会を成功させ、喜びに浸るDDTの仲間達。

この時、本当の修羅場は帰りのバスだという事を誰も知るはずがなかった。

そう、後世まで語り継がれるズンドコバス。

行きにDDTを襲ったこの騒動は、ズンドコバスへの序曲でしかなかったのだ。


つづく


って続くなよ!

こんな思い、もう沢山だ!