ラニア・カーレック(Rania Khalek)はレバノン系アメリカ人ジャーナリストである。BreakThrough News というYouTube番組を持っているのだが昨夜、ダニエル・ダンブリル(Daniel Dumbrill)をゲストに迎えたインタヴューを見た。

カーレックは主にパレスチナを中心とするアラブ情勢の専門家だが、中国にも詳しい。そしてダンブリルは中国人と結婚しているカナダ人で、中国に住んでいる。彼もYouTubeの番組を持っているが、基本的にビジネスマンである。

2008年から香港に数年住み、反中国の抗議活動を目の当たりにした。そこで欧米の報道が余りにも一方的なので、真実を伝える為、政治的な番組を始めたのだと言う。彼が番組で話していた内容を箇条書きにしてみる。

・香港の抗議活動における若者の暴力行為を欧米は伝えていない

これは私も実感する。香港の若者は警察に火炎瓶を投げ込んだり、火のついた弓矢を放ったりしていた。以前はその映像がYouTubeに上がっていたが、どうやら削除された様だ。また、その背後にはアメリカの存在もあった、とダンブリルは言う。

・中国・シージンピン政権は貧困層を救ったが、欧米はそれをわざと伝えず。PBSがその内容を取材した番組を制作したが、アメリカでは放映出来なかった

中国は治安がとても良く、この数年は殆どホームレスも見ないそうだ。私も中国ではホームレスは見ない。政府の発表では8年間で1億人近くが貧困状態を脱したと言う。

・ウィグル自治区の再教育プロジェクトは成功し、治安が良くなり平和が達成された

21世紀の知恵<20>でも説明したが、欧米が主張している様な虐殺はウィグルでは起こっていない。ダンブリルは最近、ウルムチにも滞在し多くのウィグル人の知り合いとも話した、と言う。ウィグル人のイスラム過激派が北京などでテロ行為を行なっていたのは知られているが、彼等はウィグル自治区内の非イスラム層もターゲットにしていた、と言う。

例えば以前だと、ムスリムではない女性が一人でレストランに行く時は過激派に目を付けられていないか、不安だったそうだ。またお酒を飲む人もターゲットにされる可能性があった。再教育プロジェクトにより、過激派が一掃され、女性も安心して街に出る事ができ、ウィグル自治区はかつてない活気があるとの事だ。

さて、ここからが重要。2021年にBBCが書いた記事がある。

https://www.bbc.com/news/world-asia-china-55794071.amp

トゥルスネイ・ジアウドゥン (Tursunay Ziawudun)というウィグル人女性が強制的に収容所に入れられ、暴力を振るわれレイプされた、という記事である。しかしBBCはその記事はこの女性が主張している事で、「裏付けはない」としている。

しかし困ったのがBBCの日本語版である。裏付けはない、という文言はなく、あたかもそれが100%真実であるような書き方であった。

「(ウィグルの)収容施設では毎晩、女性たちが連れ出され、覆面をした中国人の男にレイプされていたと話した。彼女自身、拷問を受け、2~3人の男たちに集団レイプされたことが3度あったという。私たちが想像していたよりも明らかに深刻なレベルで性的虐待と拷問が行われていたことを示す、信頼できる詳細な証拠だ」

こんな酷い事をする訳がないというのが何故、分からないのだろうか?この女性は9ヶ月ほどで解放されている。その後、アメリカに渡っている。集団レイプの犠牲者を自由にしたら、その行為が世界に暴露される。当然、中国は非難される。

要するにこの女性はアメリカに移住したいのである。政治亡命をすれば、それは簡単だ。3年前、この記事を読んで、この女性の証言は信用出来ない、と私は思った。

ダンブリルはこの件についても、詳細を語った。この女性は先ず、夫のいるカザフスタンからBBCに情報を送った。当初は収容所では食事も普通に与えられていたし、特に不満はなかった、という内容だったらしい。しかしそれでは記事にしてもらえず、注目されなかった。だから話しの内容を大袈裟に変え、レイプ等の残虐行為を受けたと言い出したらしい。そして注目が集まった。

その後、メディアには登場していない様だが、恐らくアメリカへの政治亡命が叶い、平穏に暮らしているのだろう。

ダンブリルは中国に住んでいる。確かに見方が中国寄りになっている、それはそうかも知れない。

しかし多くの女性が集団レイプをされ、解放された後、普通の日常生活に戻れるとでも言うのだろうか?そんな事をしたら社会が崩壊する。暴動が起きる。しかし今のウィグル自治区はその逆なのである。

中国の世界への影響力はこれからも増すはずである。それを必死で妨害したい欧米。少なくともその構図は理解しなくてはならない。日本のメディアは腰抜けとしか思えず、ただ欧米の言う事を広めるだけ。本当にそれで良いのだろうか?中国の肩を持つ訳ではないが、欧米に従順するしかしない日本の将来に不安を持ってしまうのだ。