国連総会にてパレスチナの国連加盟を支持する決議案の採決が行われ、143か国が賛成票を投じた。反対はアメリカやイスラエルなど9か国にとどまり、圧倒的多数の賛成で決議が採択された。もちろん、国連にて絶対的な権力を握るアメリカが反対しているので、簡単にはパレスチナの加盟は実現しない。しかし、日本が賛成票を投じた事に評価はしている。

思えば私が初めてパレスチナを訪れた2012年、その帰国後の11月、パレスチナは国連のオブザーバー国家として承認された。その時、私は東京にてピースマーチを指揮した。そして可能性は低いとは言え、ようやく正式に国連加盟への動きが始まったのである。

今回、日本が賛成票を投じた、というのはちょっと驚きだった。私は2019年から「日本パレスチナ友好協会」の理事を務めた。この協会は基本的には外務省上がりのエリートの連中が起こした組織である。数年、彼等に付き合って活動したが、状況を変える様な組織ではないので今は距離を置いている。要するに大使という地位を手にした連中が、自分達の地位をキープするが為に始めた組織だ。

ニヤニヤしながら、イスラエルの暴挙を語る元大使の話しを聞くのは苦痛だった。この連中は仕事で中東に渡った人間だ。真剣に平和を実現しようなんて事は考えてもいない。私の様に実費を投じて、毎年の様に中東を訪問して人間とは、全く異なるのである。

しかし今回、その日本がパレスチナを国家として承認する一票を投じた事は評価したい。

こうした国連の動きはパレスチナを救えるか?そう簡単にはいかない。ネタニヤフの暴走を止める事は難しい。流石にアメリカもイスラエルの狂気に釘を刺そうとしている。全米の大学で抗議活動が起きている。半年後に選挙を控えたバイデンもイスラエルのガザ侵攻が継続されるのであれば、イスラエルへの軍事兵器供給をストップする、とまで言い出した。

とは言え、やはりイスラエル擁護という立場からは抜け出せないのである。ユダヤ系アメリカ人のロビー活動、その影響力は揺るがない。ロビー活動とは?要するに賄賂による政治活動。そんな事は他国では違法である。自分達の利益を確保する為、議員を囲い込む、それがロビー活動だが、アメリカでは寄付金とされているが、それ以外の国ならそれは賄賂と捉えられ、違法である。そしてユダヤ系のロビー活動はアメリカの政界の奥深くまで浸透している。だからアメリカはイスラエルにノーとは言えない。

ガザでは虐殺が続いている。容赦無い爆撃が続き、民間人が、女性子供問わず虫ケラの如く殺されている。何故、こんな惨劇が続くのか?

私は計8回、パレスチナに渡り平和活動を続けた。しかし結果は出なかった。

そんな中、ニヤニヤしながらイスラエルの事を語る元大使には閉口した。要するに外務省のエリートも含め、政治家は何の役にも立っていないのである。言葉巧みに自身を売り込むが、本心は自分さえ良ければ後はどうでも良い、それが政治家。世間ではパーティー券で得た収入を自分の懐に入れる政治家が批判を浴びている。しかしそんな事は日常茶飯事なのである。この連中を頼りにしても何も解決する訳がない。その状況が1945年以降、と考えても80年近く続いている。

戦争は政治家によって起こる。止められるのは市民であるはずだ。そう信じたい。

因みに私はパレスチナ国家承認署名運動を行っている。詳細は以下のサイトにて。