サイラス・ジャンセンは50万人以上のYouTubeフォロワーを持つアメリカ人インフルエンサーである。かつて中国に住み、流暢な中国語を話す。2日前、香港について彼の見解を述べていた。

https://youtu.be/S7GrnP2XzLw?si=Kob18JEAqcz75pmz

私自身も2019年、香港に行って反政府デモに参加し、香港の若者の声を聞いてきた。サイラスの主張は正しい。香港のデモは決して民主主義と自由の為、なんてものではない。アメリカが背後にいて、黒幕が存在し、中国に反発する若者が起こした反乱である。今は削除されてしまったが、デモ隊が火炎瓶を香港警察に投げ込んで、車両を炎上させた映像などもYouTubeに載っていた。非常に過激で危険な運動だった。

それに対し、香港警察は実に寛大な対応だった。これが日本で起きていたら大変だ。機動隊が出動し、デモ隊を壊滅させただろう。アメリカだったらデモ隊の何人もの人間が殺され、大暴動となっていたに違いない。因みに私は1992年にはロサンゼルスに住んでいて、LA暴動を目の当たりにしている。アメリカなら何人死んでも圧倒的な力で鎮圧する。香港、そして中国の警察は静かに見守った。これは天安門事件の教訓があるからだろう、と思うが。

何故、香港の若者が暴走したのか?これについてサイラスのチャンネルでも結論を出している。

日本人は中国人に対して偏見を持っている。中国人を見下し、理由もなく嫌っている。要するに人種差別なのである。香港人も同様で長い間、イギリスの統治下にあった彼等は英語を話し、西洋の文化に感化され、日本人同様、自分達は中国本土の中国人より進んでいる、と思っているのである。

香港の民主化運動なんてものはプロパガンダに過ぎない。サイラスの番組でも主張しているが、香港人は中国本土の中国人に対して差別をしている、それが第一の問題なのだ。

当然だが、日本では真実は報道されない。基本的にアメリカ、そしてこのケースではイギリスのメディアに右倣えである。

何度もアグネス・チョウというアイドル志望の女の子をメディアに取り上げ、まるで彼女が重要な存在の様に報道した。

>アグネス・チョウ。生まれも育ちも香港だけど、日本のアニメとアイドルが好き。「Fate/Zero」一押し、「アイマス」の「ミキちゃん」神推し。好きが高じて日本語を独学で勉強しはじめ、ツイッターも日本語でやってます。アキバに来るのはもう、10回を超えるかな。そんな、ごくふつうのガチオタ女子ですが、ただひとつ違っていたのは。彼女は「革命の闘士」なんです。(朝日新聞国際報道部記者・高田正幸)

要するに頭が空っぽとも言って良い、アニメオタクで、日本に憧れていた少女だ。こうした全くの政治オンチが、中国人への偏見で抗議活動を支えていた、と言えるのである。

私が香港のデモに参加した時も、繁華街で飲み歩いている外国人はサポートの声援を送っていたが、一般市民は冷ややかな目で見ていた。いい迷惑なのである。今はだいぶ落ち着いた、と言える香港。シー・ジンピンは2047年の後も香港の民主主義制度をある程度は残す、と発表した。勿論、日本ではその報道はない。

中国は世界のリーダー的存在感を深めている。中国はすでに購買力平価(PPP)ベースのGDPが米国を抜き世界最大の経済大国になっている。市場為替レート(MER)ベースでも2030年までに世界最大となる。方や日本はGDPに於いてドイツに抜かれ、世界4位に後退した。それについて大騒ぎをしている人がいる。後25年もすればブラジルやインドネシアにも抜かれる、というのが常識的な予測なのに。全く世の中を知らないのである。

このままアメリカの飼い犬で良いのか?中国人に対する人種差別を止め、現実と向かい合うべきなのだが。