「行くわよ!」「がってんだ!」 / 「ぺろぺろぺろ」「くすぐったいじゃない」

 

二匹の足並みが揃って、チャッチャッチャと「行進」するのは一日二回。朝晩の食事がふるまわれる時だ。待ちに待ったごはんだ!となると、二匹は「食堂」であるケージに向かって一目散。ほぼ同時に到着する。2階と3階に分かれてそれぞれに食べることに没頭する。ひところ先に食べ終わったにっきがはっかのフロアに飛び降りて、まだ食べている最中のはっかの食事を奪うという行儀の悪さだったこともあるが、近頃ははっかの食欲が進み、ちび猫に食事半ばのボウルを譲るなどということもなくなった。

 

  

「見てるの?」/ 「しかるに、すなわち」/ 「ヤッ、トウー!」

 

一日の大半を優雅に(?)寝そべって過ごすはっか。それでも折々に見せる姿態は興味深い。キリッと見据える眼の、決めポーズには人間もすくむ。かしこまって両手を揃えて座る様子には、「何か考えているのかしら」と思わせる賢そうな雰囲気が。かと思うと、突然大胆にあられもないスタイルで毛づくろいを始める。よく伸びる脚よのうーと感心する人間。

 

 

「あー、なんだそれ」 / 「つまんないと眠くなる」

 

にっきはフォトジェニックだ。美猫だからというより、そのひょうきんさで人気を博している。いつも人間のすることに好奇心を示し、周囲の変化に敏感に反応する。くりくり目玉がいつも何かを探している。テーブルに上るなと何度言い聞かせても(犬じゃないので?)学ばない。何度下ろされてもまた上がる。人間が新聞を広げると、必ず自分も点検に来る。そのくせ新聞の上でじっと目をつぶるところをみると、記事が面白くないのだろう。

 

「ひとりじめはやめて」「ムギュー、この毛糸は渡せない」 / 「じょうせいはどうでしょうかね」「いつもどおりよ」

 

二匹はこのところ玉をほぐしてただの毛糸になった紐で遊ぶのがお気に入り。はっかもこれには乗ってくる。にっきの独占許すまじと手で押さえ、そばまでにっきが来ると追い払う。それでもめげないにっき。時々毛糸が体に巻きついてフガフガ言うこともあるけれど、はっかさえ全力疾走させる毛糸の威力に人間は感嘆している。フギャーと叫びながら取っ組み合いもし、互いの顔を舐めあうこともあり、ただなんとなく寄り添っている時もあり、相棒がいるっていいものだなと、人間はつくづく猫を見て思う。