「いってらっしゃい。ここで待つわ。」

 

にっきを「健診」に連れて行くことにした。先日ははっかの体重増加を案じて単独でアニマルセンターに連れて行ったので、本日はにっきのみ。何事が起こるのかよくわからないうちににっきをキャリーに閉じ込め、「みゃおみゃお」鳴かしながら家を出た。はっかは高いところから見下ろしていた。彼女にも何事か不明だったろうが、少なくとも自分に害は及ばないと判断したらしく、慌てず騒がず目を細めただけだった。「健診」の結果は体重の増加200g

(3.4kg⇒3.6kg)。医師からは「4kg超えないようにしましょう」とのみ。元気坊主であるにも関わらず、にっきは診察台の上にはいつくばって両手を広げブルブル震えていて、医師に「どうした、何怖がってるの?」と笑われた。存外臆病な猫らしい。

 

  

「また雨なの?」          「なんかぴこぴこしてる」

 

ところで、TVをつけると、モニターの前ににかしこまって座って「鑑賞」するはっか。離れた爪砥ベッドに収まってチラッ、チラッと眺めるだけのにっき。勉強家の姉と、運動系の妹といった風情だ。だいぶ反応ぶりが違う。はっかは画面に興奮して、そのうちTV台の上に飛び乗ると、動くものに触ろうとして自分も動くものだから、台の上にあったTVのリモコンを踏んづけ、全く別のチャンネルに変えた挙句、最後は画面を消してしまった。はて、何が起こったのか知る由もない。

 

「かまわないで。くつろいでるの。」

 

TVに見放された(というより実際は勝手に自分で消した)はっかは、箱に入った。気分転換になるらしい。この箱には猫たちがあちこちに散らばしたおもちゃや、破壊したおもちゃの残骸が入れてある。時々、見つけて箱から引っ張り出す猫(もちろんにっき)もいるけれど、はっかは無関心。中のものはなんでも踏んづけて、ツンと済ました箱入り娘は、箱に飽きたら飛び出すだけ。

   

「ねむーい。なにかごよう?」

 

いつものアスリート猫はどこへ行った?クリニックから帰った直後のにっきはどっと緊張が解けたのか、眠くて眠くてたまらない。あんまりよく眠っているので、様子を見にそばに寄ったら人間の気配に気づいて、一瞬顔を上げた。でも目が半分も開かない。いいからいいから眠っていてね。こんなに静かなにっきも珍しい。毎日目まぐるしい猫たちの七変化。