スワンプ・ロックをいろいろ聴いていく中、そのスライド・ギターも心地よい、ジェシ・エド・デイヴィスと、タジ・マハールという2人の作品に出会いました。
ジェシ・エド・デイヴィスは、スワンプ系のアルバムには、あちこち参加してます。
ところで、スライド・ギターの名手と言えば、ライ・クーダーを思い浮かべる方も多いのかな…
こんなお話があります。
ストーンズの名曲、ホンキー・トンク・ウィメンのフレーズを、ライ・クーダーは「俺が作った!」と主張…
ストーンズ側(ちゃっかりキース)は、当初これを否定しましたが、やっぱり悪いなと思ったのか、その時のセッションをわざわざミニ・アルバムと言う形で発表…
まぁこれは、ライ・クーダーへのお詫びと理解出来るので、遠回しに例の一件を認めたとも言えますね。
やっぱ、パクリか(笑)
話は逸れましたが、そんなエピソードを持つライ・クーダーは、名作と言われるアルバムも沢山…
その中の一つ、パラダイス・アンド・ランチを、私は何度も買ったり売ったり繰り返しているのですが…
そして、もう一人のタジ・マハール
なんとこのライ・クーダと、ライジング・サンズってグループを結成していたと言うからビックリ
ちなみに、タジは黒いライ・クーダーなんて呼ばれていまが…
残念ながら、アルバムは1枚出しただけでそれぞれの道へ。
そして、長い前振りからやっと本題(笑)
実は、このタジ・マハールの初期作品がズバリ、エアロスミスくさいのです…
タジの1stなんて知らないで聴いてると、エアロスミスの初期の作品かと勘違いしてしまう曲もあります。
更には、3rdの中のブルース・ソングを、エアロは、ハングマン・ジュリーという曲の冒頭に引用しています。
(ひょっとして、オリジナルはタジでは無く、古いブルース?)
エアロスミスは、ブルースに影響を受けたブリティッシュ・ロックを逆輸入したと、よく言われていますが…
ブリティッシュ・ロックには無いグルーブ感は、ダイレクトに本国のブラック・ミュージックに、多大なる影響を受けていることは明らかです。
そこで検証したいのが…
エアロスミスの 1stアルバム B面ラストに収録された
ウォーキング・ザ・ドッグ
①ローリング・ストーンズ
②エアロスミス
③ラット
③のラットは、メタルバンドですが…
この3者、実はアルバムで同曲を取り上げております。
しかも、みな同様にデビュー・アルバムB面ラストに収録しているといった点まで共通。
オリジナルは、ルーファス・トーマスと言う人で、先ず①ストーンズの活動初期は、ブルースのカヴァーも多く取り上げており、割とこのオリジナルに近いのではないかと思います。
③のラットはと言うと、そのデヴュー時には、エアロスミスからの影響もおおっぴらに公言しており、よりメタルっぽく演奏してはいますが、間違いなくエアロスミスの 『ウォーキング・ザ・ドッグ』が、お手本なのは明らか…
問題は、②エアロスミスなのですが…
彼らの活動初期は、『ストーンズのコピー』と言われることもあったり、実際意識していたとは思います。
この曲も、そんなストーンズへの敬意と、その影響かと思っておりましたが…
しかし同じ曲とはいえ、エアロスミスとストーンズのそれでは、だいぶ印象が異なり、両者の間には大きな隔たりを感じずにはいられないのです。
ところが…
ここでやっと、④タジ・マハールの登場です。
タジ・マハールの1stアルバムに、とてもイカしたブルース・ナンバーが収録されているのですが、曲名を 『DIVING DUCK BLUES』 と言います。
実は、この曲がかなり似ているのですよ、エアロの 『ウォーキング・ザ・ドッグ』 に…
おまけにタイトルも何だか…
④タジ・マハール
仮にもしそうだとすると、ルーファス・トーマス→①→②→③といった流れが自然かと思っていましたが
ルーファス・トーマス→①とは別に
ルーファス・トーマス→④→②→③ということになりますね。
ひょっとしたら、タジ・マハールの 『DIVING DUCK BLUES』 こそ、ルーファス・トーマスに触発されて出来た曲なのか?
或いは、そもそもブルースだから根本的に似通っているだけ?
しかし、そうやって聴こえるのは私だけなのかも…
興味が湧いた方は、タジの他の曲も聴いてみて下さいね。
スティーヴンの歌って、この人の影響があるんじゃないかと思うのですが…
真実はどうか判りませんが、そんなことを考えながら聴くロックもまた楽しいものです。
ではまた!