マグロのイロハ④ -今日のマグイロ(♯4)- | にっけいしんぶん新聞

マグロのイロハ④ -今日のマグイロ(♯4)-

厳密な定義ないトロ -1日27面-

マグロは卸売市場で仲卸のセリにかけられ、競争によっては1匹1千万円前後の高値がつくことがあります。買い落とした仲卸は小売店などの求めに応じ解体します。
資質の多い部位ごとに腹の前部の表面に近い肉が「大トロ」。腹の後部が「中トロ」で、背肉は「赤身」と呼ばれます。
価格はクロマグロの場合で重量あたり「赤身」1に対して「中トロ」4-5、「大トロ」10以上というのが目安ですが、季節などで品質も変わり、ブレも小さくありません。
トロだけを買うと高くなるため、小売店は赤身も含めて大きな魚肉を仕入れ、脂質の含有量など独自の判断に基づいて切り分け、店頭に出します。トロかそうでないかで店頭価格は異なりますが、厳密な定義はなく、「同じ切り身でも会社により赤身だったり中トロだったりする」といいます。   =おわり



マグロ解体ショーいやまあ、記者のこれまでの短いお寿司人生の中で薄々分かってはいたつもりですが、やっぱり「トロ」の基準っていい加減だったのですね。
さすがに真っ赤な背肉をトロとはいえなくても微妙な部分はお店の腹次第、たいがいのお店じゃ「赤身」でも、「中トロ」と言い切ってしまえばそのお店では「中トロ」になるようです。

ま、そりゃちょっと考えりゃそうですよね。
卸売市場で必ず「大トロ」「中トロ」「赤身」と切り分けて売っているわけじゃありませんし、お店で切り分けたのをいちいち認証もらうわけにもいきませんから。
まあ「日本トロ認証協会(NTAA))」なんてのがあっても笑っちゃいますが。

ですから、おすし屋さんで中トロを頼んで脂が乗っていなくて誰しもつぶやいたことのあるセリフ「これほんとにトロなの?」、これは間違いですね。
お店がトロといったらトロなんですから。
つぶやくなら「これ、よそのお店でもトロなの?」、これが正解のようです。


と、いうわけで4回にわたり見てきた「マグロのイロハ」、いかがでしたでしょうか。
マグロについての基礎知識が身につくだろうということでなんとなくとりあげましたが、皆様のお役に立てましたでしょうか。
シリーズは読み物としては面白かったのですが、ごらんのとおり記者としてはもはやネタ切れ、4回中3回まで触れておいて最後の1回だけ触れないというのは気持ち悪いというだけで記事にしたといっても過言ではない状況です。
いやほんと、4回ぐらいで終わってよかったよかった。

ていうかこの記事、たしかに日経新聞の「商品」面に掲載されてるけど、これって全然「商品市況」に関係ないじゃん、などということなかれ。トロと同じで記者が「商品市況」に分類すればテーマは「商品市況」、ブログだって「政治・経済」ジャンルだと言い切っちゃえば、よほど背中のまっかっかの赤身でもない限り、「政治・経済」で売ってよい・・・はずです・・・。



※図表は日経新聞より。