駒大苫小牧センバツ辞退 -潔い?- | にっけいしんぶん新聞

駒大苫小牧センバツ辞退 -潔い?-

野球部員飲酒・喫煙 監督・部長が辞任 -4日37面-

昨年夏の甲子園で連覇を果たした駒大苫小牧高校の3年生野球部員らが飲酒や喫煙で警察に歩道された問題で、同校校長春の選抜大会出場を辞退すると発表しました。野球部監督と部長は校長に辞任届を提出し、受理されました。


今さらこのニュースに記者がブツブツ言うのもどうなんですけどね。
やっぱりおかしいと思うわけですよ。

だって、たいがいの人は未成年のあいだにお酒を覚えるじゃないですか。
日経の解説記事には「未成年の喫煙や飲酒は許されない」なんて書いてありますけど、日経の記者陣の過去がみんな潔白だなんて言ったって、記者は信じませんよ。

たとえばなんとなく社会的に許容されている大学生の新歓コンパも基本的に新入生は未成年です。
おそらくはコンパをやる野球部だって少なくないでしょうし、タバコを吸う未成年選手だって大勢いるでしょう。
でもそれがバレてリーグ戦出場辞退とか聞いた覚えはありません。

だいたい、飲酒や喫煙って「絶対悪」じゃないじゃないですか。
国によっちゃ、全然合法だったりするわけですよ。
同じ「違法」な行為でも、暴行事件などとは性質が違います。
卒業式の後、「『お礼参り』であの先公のアバラ3本折ったよなあ」はシャレにならなくても、「卒業コンパであいつ救急車呼んだよなあ」は後の同窓会では笑い話になったりするわけですよ。いや、救急車呼んだことは反省すべきですけどね。
でも卒業コンパくらいなら、誰かに見つかっても普通なら「飲みすぎんなよ」と笑って注意されて大目に見られることも多いでしょう。
記者の高校時代なんて、卒業生どころか1年生が学ラン着たまんま居酒屋で文化祭の打ち上げとかをやったりしてましたが、先生だって半ば知りつつ知らない振りをしてましたよ。

もちろん、記者は未成年の飲酒・喫煙が全面的にオッケーだという気はありませんし、「二十歳まではダメ」と線引きされたルールがある以上、それはそれなりに尊重はしなければならないと思います。
また最近はそのルールを厳しく適用していこうという流れのようですが、それに対して反対する気もありません。
ただ、させないようにすることと、飲酒・喫煙の行為があった場合に厳しく罰するのとはわけが違います。

当の部員達の認識に甘いところがあったことは否めません。
「卒業後」だからという誤解があったのかもしれませんが、自分たちが注目される存在だという自覚もなかったのでしょう。
しかし、いくらなんでも卒業コンパでの未成年飲酒・喫煙という「罪」に対して与えられる「罰」が「無関係な後輩チームの出場辞退」という一生残るかも知れない心の傷というのは、「量刑」としてあまりに不当です。
先輩が飲酒・喫煙をした罪の連帯責任で出場辞退をさせられる後輩たちについてはいうまでもありません。

学校関係者のオトナたちが派手に責任を取りたいのは勝手ですが、当の少年たちや無関係な後輩に過分な責めを負わせるのは誤りです。
それとも、彼らはそれが「教育」として適当だと思ってやっているのでしょうか。

高野連の会長は出場辞退を認め、「規範意識の薄れを危惧している」とコメントしているそうですが、それでは今後、高野連関係者は駐車違反をしてもクビ、信号が青になる前に渡り始めてもクビ、万が一路上喫煙禁止区域でタバコでも吸おうもんなら駒苫の選手に土下座した上でクビになる覚悟で日常生活を送っていただきたいと思います。


・・・いえ、そんなことよりぼちぼち高校球児の不祥事だけ特別視して大騒ぎするのは、やめにならないものなのでしょうか・・・。