変わり種ファンド、成績明暗 -ファンドルにファンドる?- | にっけいしんぶん新聞

変わり種ファンド、成績明暗 -ファンドルにファンドる?-

金融取材メモ -7面-

ここ数年、飲食店や高級ワイン、果てはアイドルタレントに投資する「変わり種ファンド」が登場しましたが、話題性の割に運用成績は必ずしもパッとしません。
東京・渋谷のラーメン店8店に投資した通称「ラーメンファンド」は昨年元本を返還して運用停止、ジャパン・デジタル・コンテンツが2003年末に募集した「アイドルファンド」も運用状況は厳しいといいます。
一方、ヴァンネットが4年前に運用を始めたワインファンドの第1号ファンドは昨年9月末で値上がり率が約2倍と健闘しています。
4月のペイオフ解禁で個人投資家の潜在投資ニーズは強く、今後も変わり種ファンドは増えそうですが、商品設計や運用面で金融関係者に課せられた責任は重いといえます。


株や債券、為替に投資するのに先を読むのは非常に難しいですし、あまり楽しい作業でもありませんが、自分の興味のある分野の事業を吟味して投資するなら楽しそうです。
こんなラーメン屋が繁盛するか、このアイドルが売れるか、うまくいけばリターンは大きいですし、失敗してもまだ割り切りができるかもしれません。

さて、賢明なるみなさまは、記者がどのファンドを取り上げるかはもうお分かりでしょう。
お酒は大好きで「ワインファンド」も気になるところですが、やはりネタ的には「アイドルファンド」です。

日経記事によりますと、「アイドル5人に活動資金を出資し、その収益に応じて配当が受け取れる5タイプのファンド」ですが、依然「これまでに出版した写真集やDVDの売れ行きが配当可能ラインを上回ったアイドルは、一人も以内のが実情」といいますが、どのようなものでしょうか。
さっそく調べてみました。

ファンドの詳細はチェックしていないのですが、しかし透明性が求められる公募のファンドらしく、アイドルにはなかなかシビアな条件が設定されていました。
たとえば各アイドルには発売した写真集やDVDの売れ行きに「足切り条項」が設けられており、90日で1000枚以上売れないと、次作の発売はないとなっており、写真集もDVDも売れないとなると、機械的にアイドル廃業となってしまうようです。
今のところ、活動停止となったアイドルはいないようですが、一番人気のアイドルでもどうやら累計5千枚(冊)程度の売上では、本当にかなり厳しそうです。
失礼な言い方ですが、どのアイドルも例えばモー娘。にでもいればそこそこ売れたかもしれないレベルではあるのですが、イマイチ決め手に欠けるような気もします。
加えて、当初話題になった割には、その後のプロモーションが弱かったのかもしれません。

そこで今年1月、パワーアップした第2段ファンドが募集されました。
アイドル1人当たり500万円だった募集金額を一気に1500万円(5万円×300口、4人合計で6000万円)に増額し、プロモーションにも力を入れるようです。
スキームも大幅に改良し、amazonや新潮社が販売面で参画します。
そして、何より投資対象アイドルが、第1段では新人グラビアアイドルばかりだったのを、既に実績のあるアイドル、中森明夫氏、今井了介氏、島田雄三氏といったビッグネーム・プロデューサーが手がける萌え系アイドル、モデル系アーティスト、本格ヴォーカルアーティストとバリエーションを揃えました。りりあん
これはかなりカタイ売上が期待できます。


なお右の写真は、どうやらファンドの中でもイチ押し(発売予定DVDのタイトル数が多い)らしき、中森氏が発掘したという“萌えドル”、「りりあん」ちゃんです。
記者、個人的にはこの手のかっこうをさせないで素の写真のほうがよいのでは?と思うのですが、そこはターゲットが異なるようで、やはり萌え系マーケットの奥は深いようです。

「こ、こいつに投資するのか・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いちど下のリンクでものぞいてみて、自分だったら誰に投資するかと考えてみるのも悪くないでしょう。
DVDなどの売上はファンド成績としてそのうちサイト上でディスクローズされるはずですので、投資者でなくても楽しめそうです。

ところで、この記事を書くにあたって記者のツボにはまったのは、申し訳ありませんが、りりあんちゃんではありません。
このアイドルファンドの、商品性のイメージです。
通常のファンドは、

普通のファンド

有価証券や不動産への「純粋な投資」に対する「金銭的リターン」というイメージ図で表されますが、このアイドルファンドは違います。

アイドルファンド

アイドルに対して金銭のみならず、「応援する気持ち」を投資して、「金銭的リターン」と「精神的リターン」の配当を受けるというのです。
これはなんとも画期的スキーム!

万が一ファンドに穴があいても精神的リターンで埋め合わせられるじゃありませんか!
超低金利、ペイオフ解禁後の個人マネーの受け皿のひとつとして、高く評価したいと思います。

なお、残念ながら第2段ファンドはすでに完売です。
購入希望の方は、第3段をお待ちくださいませ。



(参考サイト:アイドルファンド公式サイト、画像も同サイトより。)