Kromek GR1

 

 

 

GR1のご紹介

 

GR1はダーラム大学(英国)のスピンアウト企業として生まれたKromeKが初期にリリースした CdZnTe半導体検出器 です。

2009年米国で開催されたIEEE NSS2009でK102(4Kch MCA)と同時に初展示されました。

第一印象は ”小さい” ”軽い” 現地では機器展示だけでしたので、帰国後早々に評価用に1台購入。このGR1は現在でも使用中です。

 

さて、GR1は25x25x63mmの小さなボディに単体のCdZnTeとしては大きい10x10x10mmの結晶を搭載、更にプレアンプ以下のエレクトロニクスそしてMCAまでも内蔵した これ一つで γ線のスペクトルが測定できるという優れものです。

しかも、エネルギー分解能は2.5%以下(@662kev), 2009年時はNaI(Tl)のエネルギー分解能は7%程度でしたので圧倒的です。

 

動作電源はパソコンのUSBから給電を受けるのですが、経験的にパソコンのUSB給電はさほど綺麗な電源ではないのでKromek社のアナログ回路技術の高さを痛感した次第です。

 

CdZnTeはKromeK以前からすでに存在していまして、また日本市場では後にCdTeの世界的メーカになる会社もありましたので当初はあまり注目されていませんでしたが学会展示、デモなどで実測を御覧いただき2010年以降はコンスタントにお問い合わせをいただける製品になります。2011年の東日本大震災後、東京電力福島第一発電所の事故を受け当時放射線医学総合研究所にご在籍されていました鈴木敏和先生にて、GR1が高線量場でも優れたエネルギー分解能が維持(1mSv/hr)されることを検証いただき、その後事故現場でGR1はI-131,Cs-134,Cs-137を明確に測定することに成功しました。

 

以降、研究分野・教育分野・廃炉分野・医療分野等多くの分野でご採用いただける製品となり現在に続きます。

 

GR1のヒットは日本から?

 

今では世界各国で利用されているGR1ですが、仁木工芸導入当初は日本で開催される国際会議などの展示会で、海外の研究者の方から沢山のお問い合わせを頂きました。

当時KromeKはあまりPRしていなかったようです。

初めて実物を見た!とかスペクトルの美しさに驚かれていたり等今となっては懐かしい限りです。

 

世界ではこんなふうに

 

世界に先駆けて日本で紹介されたGR1ですが、世界では更に様々な用途への展開が進んでいます。

 

ドローン搭載

 

超小型・軽量かつ低消費電力のGR1はドローンとの相性バツグンです。

GR1を搭載したドローンは福島を測定しました。

 

 

 

 

核医学分野でも

 

 

PETで使用される放射性薬剤の純度試験でGR1はGe半導体検出器にとって変わります

 

 

 

GR1のマルチアレイで

 

 

 

36個のGR1を使用して放射線検出器アレイを作成し使用済み核燃料のピクセル化したイメージングの測定が実施されています。

 

 

 

 

そして勿論日本でも

 

 

GR1を使用して、福島原子炉の原子炉建屋の放射線を測定されています。