おはようございます。室温28.6℃、朝一血圧(120/86/70)。
先日、カード決済代行会社「全東信」が破産したというニュースを見ました。

犯罪とは
目 次
- ついに破綻か
- 24時間365日、事件が動いていた
- 夜になると街へ出る
- ホストクラブ全盛期
- コマ劇場での暴力団排除宣言
- 私が追いたかったもの
- 全東信のニュースを見て
ついに破綻か
負債総額は約1,259億円。
今年最大規模の倒産とも報じられています。
ニュースを見た瞬間、
私の頭に浮かんだのは、
約20年前、新宿警察署で過ごした日々でした。
24時間365日、事件が動いていた
2007年から2008年頃。
私は新宿警察署で組織犯罪対策を担当していた。
担当区域には、
日本最大の歓楽街・歌舞伎町があり、
当時の新宿は、
昼も夜もありません。
24時間365日、110番件数1日約100件。
事件処理簿が動いていました。
傷害・暴行。
恐喝。
けんか。
覚醒剤。
取調室はいつも満員です。
一人の取調べが終われば、
また次の被疑者が入る。
そんな毎日でした。
夜になると街へ出る
夜になると、
私たちの仕事も本番です。
歌舞伎町のネオンの下を歩き、
キャッチを排除し店舗を回り、
関係者から情報を集める。
何が起きても不思議ではない街。
緊張感は毎晩続いていました。
早朝になってもまだ眠らない街です、
遊ぶ側も・働く側も眠らない眠れない街だったのです。
ホストクラブ全盛期
当時はキャバクラ・ホストクラブ全盛期。
ど真ん中には「愛」本店。
街には多くの若者が集まり、
眠らない街・歌舞伎町は、
毎晩、大勢の若者達であふれていました。
しかし、
華やかなネオンの裏側では、
暴力団対策が昼夜を問わず続いていました。
事件が起きてから動くのではなく、
事件を起こさせない。
それも私たちの仕事でした。
コマ劇場での暴力団排除宣言
当時の東京都知事は石原〇太郎氏。
新宿区長は中山〇子氏でした。
私は暴力団対策担当として、
各種会議にも参加し、
中山区長が歌舞伎町を視察される際には、
身辺警護も担当しました。
そして2008年。
歌舞伎町のコマ劇場で、
「みかじめ料等不払宣言大会」
が開催しました。
- 東京都
- 新宿区
- 警視庁
- 歌舞伎町振興会
- 各町内団体
多くの関係者が集まり、
「暴力団を恐れない。」
「暴力団に金を出さない。」
「暴力団を利用しない。」
という三ない運動を社会へ発信した大会です。
実は、
この大会の企画から実施まで、
私も担当者の一人として携わりました。
今でも忘れることのできない仕事の一つです。
私が追いたかったもの
事件を追う毎日でしたが、
私が本当に追いたかったのは、
犯人だけではありませんでした。
暴力団の資金の流れです。
組織犯罪は、
資金があるから続きます。
実行犯を逮捕しても、
資金源が残れば、
また新しい人間が動きます。
私は、
当時「かばん屋」と呼ばれていた決済代行業者に注目しました。
風俗店などのカード決済を代行し、
売上金を店舗へ戻す仕組みです。
その資金の流れを分析し、
チャートを作成して、
長期的な資金源捜査を上司へ提案しました。
しかし現実は、
毎日起きる事件への対応が優先です。
傷害・暴行・けんか、
覚醒剤事件。
その対応に追われ、
構想は実現することなく、
お蔵入りとなりました。
今でも、
「あの時、もう少し時間があれば。」
そう思うことがあります。
全東信のニュースを見て
今回の「全東信」の破産。
多くの人は、
「カード決済が止まって困る。」
そんなニュースとして受け止めたでしょう。
しかし私には、
違う景色が見えました。
ネオンに照らされた歌舞伎町。
毎夜歩いた繁華街。
新宿警察署へ鳴り響く無線。
事件現場へ向かう緊張感。
コマ劇場での暴力団排除宣言。
そして、
資金の流れを追い続けようと、
チャートを書き、
上司へ説明していた若い日の自分。
一つのニュースが、
二十年前の記憶を鮮やかによみがえらせてくれました。
「全東信。」
私にとってその名前は、
単なる一つの会社ではありません。
新宿警察署で、
犯罪組織と向き合い続けた日々。
そして、
「事件の裏には必ず金の流れがある。」
そう信じて歩き続けた、
あの時代そのものを思い出させる、
忘れることのできない名前なのです。



