元日のスケート場で、暑くて帽子を脱いだタイミングで後ろに転び、側頭部を強打した。
頭蓋骨が固いものにぶつかる音は、親知らずを抜くときの「みしっ」というのと同じ種類の音で、やばい死んだかも、すごい血が出てるかも、と思ったが、間違いなく生きており、出血もしていなかった。驚異的に痛くて、笑えるほど大きなたんこぶができていたが、意識ははっきりしているし、目も見えるし、気持ち悪くもなかった。
一応救急外来に寄ってみたが、いろいろ調べてみて、頭の中は大丈夫そうだから帰って良しといわれ、家でとりあえず寝た。
翌朝から強烈なめまいが始まった。
目を覚ますと、天井がぐるぐる回っている。文字通り、ぐるんぐるん回っているのだ。トイレにいくために、まずは這って、壁伝いにあるいてやっと移動した。ただ、不思議なことに、頭を打ったのと反対の方に向けて寝ると、めまいはしない。回転はぴたっと止むのである。
うーん、これは困った。だが、めまいは一定の角度でしか起こらないことをつきとめたので、それを避けるように注意する生活が始まって、早2週間以上である。
平衡感覚をつかさどるのは耳の中で、中の大事な部品の位置が衝撃でずれてしまったらしい。普通に生活していれば一か月ぐらいで治りますよ、とお医者さんはいう。確かに、もうめまいはだいぶおさまってきている。
しばらくスケートは止められているが、しょうこりもなく、めまいが消えたらまたやるつもりなので、万全を期すためにヘルメットを買いに行った。
スキー用の、後頭部までしっかり守ってくれるタイプの大きなヘルメットを試着した自分を、売り場の鏡で見たら、これから出前の配達に行く蕎麦屋のおじさんに見えた。そこまでしてやりたいのか?と自分に聞いてみたが、やるに決まってるっしょー!と心の声が聞こえたので、100ドルは惜しかったが保険料だと思って買った。
