前回で完結させると書いておいて、メールでの書き込み制限のギリギリ1000文字になってしまい、続くとも、終わりとも記さず、しりきれとんぼのまま書き捨てていた。

【京都編②】の続きより。

Mさんは東大阪の、この地域に生息する超フレックスタイムが許されている、バブリーな人。

芸能関係のマネジメント会社に勤めているという。
嘘か本当かはどちらでもよい。

人と飲むのも仕事のうち。

家族はいない。

でも仲良くしてくれる女の子はたくさんいる。

そんなこたち皆、家族の元を離れて働いている。

または捨てられて。

でも、みんな本心は寂しいから、こんな自分にも優しくしてくれるし気を使ってメールくれる。

メールを見せてもらったが、よくいう飲み屋娘の営業メールではなく、本当に皆Mさんを慕っている様子が伺えた。

Mさんは京都駅北口にある交番勤務している、自転車で巡回しにいこうとしていた警察官と挨拶した。

警察官「今日は女の子連れて何してるん」
Mさん「危なそうだから一緒にいてるんや」

話している最中に、ヒゲをはやして独り言を話ながら自転車で通っていく男がいた。

Mさんは、朝方いつもここにくる人だといった。
よく車に引かれそうになる…と。

Mさん「気いつけなあかんで」
自転車男「あんたに何回も言われたないわ」

Mさんは、不思議なひとだった。

Mさんは、私のことを、変わった子だといった。

すぐに分かった。

中身や形はちがうけれど、Mさんも、私も、言葉に表現することのできない孤独の寂しさを常に感じている。

一時的な楽しさや嬉しさでは、決して埋まることのない空虚感。

微力な優しさでも本心からのものであれば決して人の迷惑になるものではないと信じたいと思っている。

共通点はあっさり見つかった。

結局その後、南口のなか卯で、コーヒーをご馳走になり、さよならしようと思ったのだが、Mさんの閉められていた胸の中の扉が開いてしまった状態になり、彼が静かに話す、なんとも言えない悲しすぎる話を聴いた。

ひとりで生きるリスクを教えてもらった気がした。

ほんとうの幸せって何。

マトリックスリローデッドを観る前に思い抱えていた気持ちがでてくる。

あやうく私の扉も開きそうになったが、Mさんと、精神的に痛さや辛さを分かち合うことは避けたかったので、今日あったことは良い思い出として終わらせ帰りたかった。

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