クリスチャン・ボルタンスキーが7月に亡くなっていたということに気づき、驚きましたびっくり

と言っても誰か知らない人の方が多いと思いますが。

ニケも2019年まで知りませんでした笑い泣き

とても偉大な芸術家です(雑すぎる表現ガーン


ニケがボルタンスキーに出会ったのは本当に偶然で、2014年に父親が病気で亡くなりその後母親も2016年に亡くなりガーン、そして2018年に自分が皮膚炎とめまいでボロボログラグラゲロー

死ぬような思いだった数年間を抜けて、少しだけマシになった病気2年目の2019年、たまたま病院の帰りに、まだコロナ前の六本木の国立新美術館にふらっと立ち寄りました。

ニケは学生の時に美術部だったこともあり、アートが好きなので目的もなくふらっと美術館に行くのが好きでした。(最近は気軽に行けないのが寂しいものです)

特に、国立新美術館は新海監督の映画「君の名は」にも出てきたように、とても大きく開放感のある、そして美しい建築が好きで、一階のロビーの大きな窓から外を見ながらお茶を飲むだけでも気持ちがスッキリとする場所ですお願い


そして、たまたまやっていたボルタンスキーの回顧展になんとなーく足を踏み入れました。

平日の昼間だったからか、その日は本当に人がいなくて、ほぼ1人で展示の中へと入っていきました。ボルタンスキーの、まるで異世界に迷い込んだような空間。

入り口を入ると真っ暗で、まるでお化け屋敷のようだと思い、ドキドキしながら入りました。

咳をずっとしている人を映している謎の映像や、大きい顔の写真など、なんだかわからないけど体験したことのない世界観の展示をいくつか通り、路地の突き当たり向こう側に黒い山のような物体が見えた時は本当に驚きました。



なんだあれは!と岡本太郎もびっくり!

衝撃でした!!!ポーン



「ぼた山」これ、服の山です。

天井にひらひらと舞う布たち「スピリット」は何か亡霊のような天使のような感覚でした。


そしてそこを通り抜けると、白い世界をバックに風鈴のような音がチリンチリンとなっている映像。まるで天国のような、あの世のような。



アニミタスという作品です。

とても美しい鈴の音色で、あぁ、ここはこの世とあの世の間なんではないのだろうかと思い、あまりに気持ちの良い場所で手前にあるベンチに座り、ぼーっと眺めながら数分過ごしました。


そうしているうちに、少しずつ人が入ってきて、ホッとしました笑(1人はなんだか怖かった笑い泣き


そのあと途中には、祭壇のようなオブジェのある作品はお墓のようであり、教会のようであり。



そして最後に来世という言葉が光っていました。



あー怖かった、と知らない世界へ足を踏み入れていて、現世に戻ってこれたような安堵感もぐもぐ

しかしひとつひとつが強烈でもう一度見たくなりました。


外に出てから初めてパンフレットを見てボルタンスキーがホロコーストの話を聞かせられがら育ったこと、生と死というものを見つめ続けてきたアーティストだということが分かり、そうか、自分は死からあの世を通って来世へと旅をしてきたのだと感じました。

何も知らないで入った自分に対して、これほど強烈にメッセージを伝えることができる本当にすごいアーティストなんだなと思いました。びっくり


たくさんの服、顔、それは自分も含めて、いつか忘れられてしまうような、有名でもない、普通の人々の大切な命があったこと、生きた証を表現しています。


あまりにもハマりすぎて、その後もう一回、日を改めて見に行ったぐらいでした。

しかし2回目に行った時は休日だったこともありお客さんが多かったので1度目のような強烈な体験ではありませんでした。

ボルタンスキーが「できれば1人で見て欲しい」とメッセージしていたのを後から知り、あの日、彼のたくさんの作品をほぼ1人で見ることができた体験は本当にありがたいなあと今でも思っています(でも、1人はけっこう怖いよ?にやり

そして、彼は自分の作品が教会のような、巡礼地のような場所でありたいと言っていました。

あの日、両親が亡くなり、病気で疲れ果てていた自分にとってまさに教会のような場所だったのでしょう。

ありがとう、ボルタンスキーお願い


このブログのプロフィール写真は、実は2回目に行った日、作品の撮影可だったので、撮影した「黄昏」という作品。

(他の写真は画像お借りしました)

1日に3つずつ電球が消えて、最終日には全て消えるという儚さが感じられる、でもどこか美しさを感じた作品でした。


豊島という、それこそ巡礼地のようなめちゃめちゃ行きにくい島の山奥に、アニミタスと同じく風鈴を使った作品、「ささやきの森」があるそうです。

めまいでコロナで、まさに行けそうで行けない巡礼地。

ボルタンスキーの思惑通りゲラゲラ

いつか行ってみたいものですお願い