シンガポールで密着――ジム?ロジャーズの24時間 | graybanのブログ

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(プレジデントオンライン)

PRESIDENT 2013年7月15日号 掲載

2007年、アジアの可能性に賭け、アメリカからシンガポールに移住した世界3大投資家の1人、ジム?ロジャーズ氏。家族4人で暮らす自宅を訪れ、その1日を追ってみた。

日本株が記録的な値下げを記録した5月末、ジム?ロジャーズ氏の邸宅を訪れた。ジョージ?ソロス氏と一緒に立ち上げたファンドから37歳でリタイア、バイクと車で世界を2度1周したロジャーズ氏が、米国を離れて居住することを選んだ場所はシンガポールである。2年ほど居住している家は賃貸で、今、購入物件を探している最中だという。

中庭のプールを望む広々とした部屋から見渡すと、ロジャーズ氏はプールサイドでエクササイズに励んでいるところだった。ほどなく彼は額の汗を拭き拭き、出迎えてくれた。

「よく来てくれたね。今日のインタビューはエクササイズを続けながらにしたいと思うんだけど……」

70歳になっても朝のエクササイズを欠かさないロジャーズ氏は、日本でインタビスニーカー ーを受ける際もホテルのジムを希望することが多い。まさに「時は金なり」。複数のことを同時にこなすのが彼の好むやり方なのだ。

朝は6時起床。朝食後、娘2人を自転車に乗せて、800メートルほど離れた学校にそれぞれ送っていく。8時頃~10時頃まで、エクササイズをしながらラジオを聴き、パソコンを開いてニュースやメールをチェック。ヘッドフォンをつけて電話インタビューを受けながら運動することもあるという。

アベノミクスなど、日本と世界の投資環境における最新状況についてたっぷり語ってもらった後、ロジャーズ氏はバイクから降りてシャワーを浴びにいく。着替えが済んだところで、「下の子を自転車で迎えにいくよ」。

ほどなく次女のベイビー?ビーちゃんが幼稚園から戻ってきた。シンガポール生まれだ。その後、ランチタイムを挟んで、長女のハッピーちゃんも小学校から戻ってくる。

子供部屋には英語と中国語で「窓」「ドア」と書いた紙が貼ってある。長女がニューヨークで生まれたときから、中国人のベビーシッターを雇い、中国語だけで話しかけてもらうようにしてバイリンガルに育てあげた。当時ニューヨークではその教育方針が有名になり、多くのアメリカ人がそれに倣ったため、中国系ベビーシッターの時給が上がったという話も聞いたことがある。今も中国人家庭教師とシッターをつけ、2カ国語で生活させている。

午後、2人の勉強の時間。「小蜜蜂――」と自分の愛称を中国語で書くビーちゃんに、家庭教師の先生は「難しい字がちゃんと書けたわね」と中国語で褒める。「私は全然、読めないんだけどね」と、傍らで見ていたロジャーズ氏は苦笑いしていた。

この日は夕方から自宅で会議があった。それなりに仕事は続けているが、今のロジャーズ氏は家族との時間をなるべく取りたいと思っている。朝から晩まで投資漬けだったという30代の頃なら考えられなかった生活だ。

彼は別れ際、娘たちにこう言った。

「さあ、彼女に日本語で『ありがとう』ってお礼を言ってごらん」

今、ロジャーズ氏にとっての1番の投資対象は2人の娘たちだという。多くのお金を残すのではなく、自力で人生を切り開いていける女性に育てることができたなら、自分はすべてを失っても構わないのだと。


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