されど電話
私と違って、IP電話に力を入れている人たちもいる。そんな彼らを私は侮辱するつもりは毛頭ない。IP電話ってすごいのよ。それも書いておかないといかんね。
IP電話というのは、一般の人にもわかりやすい言い方をすると、音声をコンピュータのデータとしてインターネット上で扱える技術(VoIP)を利用した電話の仕組全体を意味する。電話で話す音声をコンピュータが扱えるデータに変換し、他のコンピュータのデータと同じようにLANやインターネットを通して相手のいるところまで運搬し、そこでデータを音声に戻して相手に伝える。この一連の機能をIP電話と呼ぶ。
ただこれだけのことなのだが、これが実はものすごいことで、今までの電話の概念をぶち壊す可能性がある。電話がインターネットと融合したからだ。今のところは、IP電話のコスト上のメリットしかピンとこない人が多いかもしれないが、それはコスト削減効果をアピールした方が売れやすいからそう刷り込まれているだけであって、IP電話の真の実力はコスト以外のところにある。
それは何か。電話がソフト開発の対象となったということが最大のポイントだ。いまやコンピュータとインターネットは仕事にも生活にもなくてはならない必需品だが、電話がそのコンピュータ一家の仲間入りをし、しかも、コンピュータの中で最も血筋のよいインターネット技術の一員となったというのが大きい。
すなわち、プログラムを記述するにあたって、電話機をインターネットにぶら下がっている様々なデバイス(人間が扱える端末)の一つとして扱えることができるし、その電話機から発信されるデータをインターネットを流れる他のデータと同じように処理することができる。
そうなれば、今後いろいろなソフトが開発され、電話の可能性はどんどんと広がって行き、数年後には今では予想もできないような電話の使い方が一般的になっていると思う。だが、この本来のメリットがこのように「予想もできない」状態であるため、IP電話を売るときにコスト面でのメリットしか強調できないのが現状だ。
コールセンターなどでは、顧客から電話がかかってくると、顧客の情報がオペレータのPCに自動表示されるシステムがすでに一般化しているが、これはVoIPの技術のみで構築可能で、IP電話でなければできないというシステムではない。
現行の電話交換機の仕組みはコストが高いため、IP電話に置き換えられることは間違いない。ただし、IP電話がコストだけの理由で採用されてしまうのはもったいない。仕事や生活に便利なIP電話ならではのソフトが開発されたとき、IP電話はその本来の力を発揮するのだ。