ボード
ウェアを買いに行ってきた。そう、私はこの冬、一大決心をした。ボードをやってやる・・・。
だが、4年前のあの事件を知っている人はこういうだろう。あのヘタレにできるはずがないと。
12年に1度スキーをする男。それが36歳の私だった。12歳のとき、スキー教室で一週間鍛えられてボーゲンをマスターし、24歳のとき、2日間でインチキくさいパラレルを覚え、36歳にして1人前のスキーヤーになるはずだった。しかし、当時はスキーよりもスノーボードがすでに若者の間では人気となっており、私はボードへの方向転換を余儀なくされた。
若者に人気のボードをやらなくてどうする・・・。
36歳も残すところわずか2週間。私は当時の部下にボード旅行の企画を命じた。若い女と男を集め、1泊旅行しようじゃないかと。部下Kはこう答えた。
部下K:にかぽさん。今から予約はちと無理っすよ。
にかぽ:おいおい。上司の36年かけた人生を無にする気か。
部下K:わかりましたよ。やってみますよ。
さすがK。ちゃーんとアレンジしよった。ただ、女の子のメンバーが気に入らなかった。でも、まあ、よい。これで48歳の俺に申し訳が立つ。
だが、出発日が近づいてくるにつれ、だんだんとボードするのが怖くなってきた。正月に実家に帰ったときに、弟(かなりボード好き)からいかにボードが危険であるかをとうとうと説明されたからだ。一泊旅行を警戒するかみさんからも、危険だからやめればと追い打ちがかかった。
そして、ついに出発当日。私はKに電話を掛けた。
にかぽ:あのさ、今日のボード旅行行けなくなったんだけど・・・。
部下K:えっ?どうしたんですか?熱でも出たんですか?
にかぽ:いや、あのさ、怖くなっちゃったんだよ。
部下K:は?
にかぽ:ほら、危ないって聞いてさ。行くのやめたくなっちゃったんだよ。
部下K:・・・
部下Kの偉いところは、こんな理不尽なキャンセルに対しても、文句を言わなかったこと。そもそもあんたが企画した旅行でしょうとか、当日キャンセルでキャンセル料が発生するなどといったことを一切言わなかった。いや、待てよ。ひょっとすると、あまりにも身勝手な理由のキャンセルに対するショックのあまり、口がきけなかっただけかも。
という事件が4年前にあったのだ。でも、今回はいろんなところで4年前とは明らかに違う。多分今回は俺もやってくれるはずだ。乞うご期待。