無敗の3冠馬
ディープインパクトが史上2頭目の無敗の3冠馬となった。1頭目は皇帝と呼ばれたシンボリルドルフである。
シンボリルドルフが3冠に輝いた21年前、私は競馬に夢中だった。あのころは名馬が続出した不思議な時代だったと思う。ミスターシービー、シンボリルドルフと2年連続で3冠馬が現れ、翌年のミホシンザンもダービーを断念したものの皐月賞と菊花賞は取り、幻の3冠馬と呼ばれた。牝馬で最初の3冠馬となるメジロラモーヌも同時代だ。
シンボリルドルフは日本のレースで2回負けている。1回目はジャパンカップ。カツラギエースという日本の逃げ馬に逃げ切られた。2着にもベッドタイムという外国の馬が入り、シンボリルドルフは3着だった。そのときの様子は今でもしっかりと記憶している。
「玉砕のようなカツラギエースの逃げ」と途中まではのん気にカツラギエースの逃げっぷりが実況されていたのだが、4コーナーを回って直線になってもカツラギエースの逃げ足が落ちない。アナウンサーの最後の言葉は「カツラギ、カツラギ、逃げ切ったー!」だった。本当によく覚えているな。
2回目は私の大好きだったギャロップダイナという末脚が強靭な馬にまさかの敗北を喫した。確か天皇賞だったと思う。ギャロップダイナはずいぶんと気分屋の馬で、ものすごい勝ち方をするかと思うと、あっさりと負けてしまうこともある相撲の魁皇のような馬だった。騎手を振り落として先頭でゴールをしたこともある気性の荒い馬だ。あいつもすごい馬だったなぁ。引退レースのときは悲しかった。
メジロラモーヌという最強の牝馬もいた。こいつも化け物のように強く、3回しか負けていないはずだ。引退レースの有馬記念の負けは牡馬相手だから仕方ないだろう。それ以外は2回しか負けていない。その数少ない負けのとき、私は丸井のキャッシングで借金までして、メジロラモーヌの単勝に3万円も賭けたんだ。手に汗握って実況中継を見ていたのだが、解説の大川さんが出走直前に「メジロラモーヌ、汗をかいてますねぇ」と言いやがった。汗はいけないらしい。案の定メジロラモーヌは4着に沈み、確かスーパーショットという馬が1着だった。ホント、よく覚えてるよ。
その後、私はオーストラリアにワーホリで1年間行ってしまい、馬がわからなくなって競馬をやめてしまった。結婚してから何度か再開しようとしてはいるが、かみさんがギャンブル嫌いなので結局遠慮してやっていない。あーあ、結婚すると、やりたくてできないことが本当にたくさんあるよ。